研究課題/領域番号 |
13557137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井上 正樹 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10127186)
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研究分担者 |
田中 政彰 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (70283140)
京 哲 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50272969)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 子宮体癌 / 早期発見 / 分子標的 / テイラーメイド癌検診 / DNA修復遺伝子 / MLH1 / テロメラーゼ / エピジェネティック変化 / DNAメチル化 / MLH1遺伝子 / 子宮内膜癌 / hMLH1遺伝子 / プロモーターのメチル化 / 遺伝子診療 / PTEN遺伝子 / 癌リスク因子 |
研究概要 |
子宮体癌の発生には遺伝子不安定性(MSI : microsatellite instability)がハブ機能を有すると考えられる。MSI状態に導く遺伝子はDNAミスマッチ修復遺伝子の機能障害である。DNA修復遺伝子の機能障害は体癌ではMLH1の発現異常が重要で、MLH1蛋白発現の低下は遺伝子の変異ではなくプロモーターの過剰なメチル化が原因である。メチル化の検出にはmethylation specific PCR法およびbisulfite sequence法を用いた。これによるとMLH1の蛋白発現はプロモーターのCpGに富む領域のメチル化と極めて高い相関を示した。体癌組織の約30%の症例に80%以上の、50%以上の症例に10%以上のCpG領域でのメチル化が見られた。正常内膜ではメチル化は皆無であったが、過剰メチル化のある体癌周辺の正常内膜組織では約30%に過剰なメチル化が進行していた。内膜増殖症でも癌と同じ程度にメチル化がみられた。MLH1の過剰メチル化症例ではMSI及びTGF- βReceptor typeIIやPTENのフレームシフト変異が有為に高率であった。更に蛋白発現をみると癌周囲の正常内膜にも蛋白の消失が見られ,内膜の形態変化よりも早期にMLH1プロモーターのメチル化が進行すると考えられた。従って、MLHIプロモーターは発癌の過程では最も早期に起こる変化であると言える。このようなエピジェネチック変化を、特に子宮体癌ではMLHIプロモーターのメチル化を早期診断やリスク因子選別のための分子標的として捕らえることができる。MSIの結果として生じるPTEN, TGF-β-RII、p53、Ras等の遺伝子変異や発現も分子標的としてDNAチップなどで網羅的に検出し癌の診断に応用可能である。これらを総合的に診断することにより高リスクの個人や癌の早期診断に臨床応用の可能性が示された。その他の、癌の早期発見の分子標的としてテロメラーゼ活性も期待が持てる。すなわち、テロメラーゼ活性が95%以上の癌細胞に認められ、微量検体にて子宮体癌や頚部癌の診断に臨床応用可能である。癌の診断や術後の経過観察の腫瘍マーカー分子としても臨床応用可能である。
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