研究課題/領域番号 |
13557139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究分担者 |
広田 直美 日本オルガノン(株), 医薬研究所, 研究開発管理室長
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263085)
和田 幸久 日本オルガノン(株), 医薬研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 子宮頸部熟化 / 子宮頸部線維芽細胞 / ケモカイン / 好中球 / 単球 / 周期的伸展刺激 / matrix metalloproteinase-1 / プロスタグランジン / 子宮頸部線維維芽細胞 / IL-8 / MCP-3 / 子宮頚部線維芽細胞 / ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸合成酵素 / ヒアルロン酸受容体 / interleukin-1 / CD44 / 子宮頸部熱化 / matrix metalloproteinase / prostadlandin / 一酸化窒素 / interleukin-8 |
研究概要 |
ヒト妊娠子宮頸部組織ではWestern blot法、zymography法、免疫染色法でMMP-1、MMP-2の発現が確認されたが,MMP-9は感度以下であった。培養ヒト子宮頸部線維芽細胞(CxF)細胞におけるMMP-1の分泌はPGF_<2α>、IL-1α、SNP,D-NOの24時間添加により、各々対照の最大3.4倍、4.5倍、30倍まで用量依存性に増加し、mRNA発現も亢進していた。 つぎに、分娩時の胎児先進部による子宮頸部への周期的伸展刺激が、MMPs分泌にどのような影響を有するかを、Flexcell 3000 systemを用いて検討した。伸展刺激によりCxF細胞からのMMP-1の分泌はそれぞれ基礎分泌の平均3.0倍に増加し、MMP-1 mRNA発現の亢進を認めた。MMP-9は検出感度以下で、MMP-2は変化しなかった。伸展刺激によるMMP-1の分泌増加作用は、AP-1の阻害剤であるcurcuminの添加によって用量依存的に抑制された。 以上より、分娩時の子宮頸部線維芽細胞からのMMP-1分泌にはIL-1αおよびNOが関与している可能性が示唆された。また、陣痛による周期的伸展刺激は、AP-1を介して子宮頸部線維芽細胞からのMMP-1の分泌を促進し、子宮頸部熟化に寄与している可能性が示唆された。 分娩時の子宮収縮に伴って子宮頸部局所には好中球、単球、マクロファージ等が遊走する。これらの白血球遊走に関与するケモカインの頸部局所における発現を検討した。 妊娠子宮頸部組織、CxF細胞いずれでもMCP-3およびIL-8の遺伝子発現ならびに蛋白発現が検出された。12時間の周期的伸展刺激を加えるとCxF細胞のMCP-3,IL-8遺伝子発現はそれぞれ2.5倍、2.1倍に増加した。24時間刺激後の培養上清中のMCP-3およびIL-8濃度はそれぞれ非刺激群に比して1.9倍、7.6倍に上昇した。 以上、分娩時の子宮頸部への伸展刺激が炎症細胞の遊走を導き子宮頸部熟化に関与している可能性が示された。
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