研究課題/領域番号 |
13557148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
岡野 光夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00130237)
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研究分担者 |
副島 一孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00246589)
野崎 幹弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70086586)
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40267117)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 温度応答性高分子 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 皮膚 / 表皮細胞 / 組織工学 / 再生医療 / 細胞シート工学 / 温度応答性表面 / 細胞シートのマニピュレーション / 表皮角化細胞 / 内皮細胞 / 血管新生 |
研究概要 |
我々は細胞シート工学を提案し、その体系的追求に尽力している。細胞シート工学とは、生分解性高分子製足場を一切用いることなく、細胞-細胞間接着と細胞自身が培養の間に作り出す細胞外マトリックスによりシート状をなす細胞集団すなわち細胞シートを根幹単位として、細胞シートを用いて組織構造を再構築する技術の総称である。通常、培養細胞の回収に用いられるトリプシンなどのタンパク質分解酵素は細胞-細胞間接着を破壊してしまうため、通常、細胞シーとして回収することはできない。この問題を解決するため、我々は温度応答性培養表面を開発した。温度応答性培養表面には、温度に応じて親水性・疎水性を大きく変化させる温度応答性高分子が共有結合的に固定化されており、タンパク質分解酵素を用いることなく、温度を下げるだけで培養細胞をまったく非侵襲的に回収することができる。細胞シートは底面に培養の間に沈着した細胞外マトリックスを接着したまま回収されるため、容易に他の表面に接着する。温度応答性培養皿を用いて作製した表皮細胞シートをラット皮膚欠損モデルに移植し、十分な治療成績が得られることを確認した。温度応答性培養皿を用いて作製した表皮細胞シートは5分程度で真皮層および皮下筋層に接着し、縫合の必要がまったくなかった。また、細胞-細胞間接着が維持されているため、移植直後からきわめて良好なバリア機能を有していた。これらの成果をふまえ、東京女子医科大学形成外科にて臨床応用を開始し、全例で良好な治療成績を得た。本技術は熱傷や瘢痕治療などの皮膚欠損の治療に大きく貢献することが期待された。
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