研究課題/領域番号 |
13557154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
細井 和雄 徳島大学, 歯学部, 教授 (10049413)
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研究分担者 |
赤松 徹也 徳島大学, 歯学部, 助手 (80294700)
羽地 達次 徳島大学, 歯学部, 教授 (50156379)
中條 信義 徳島大学, 歯学部, 教授 (80069046)
多田 淳 徳島大学, 歯学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | キニノーゲン / 急性期蛋白質 / 炎症性サイトカイン / LPS / 外分泌腺 / 唾液腺 |
研究概要 |
著者らはこれまでに、唾液腺、口腔粘膜等口腔領域に出現する肥満細胞に注目し、この細胞の有する生理活性物質について検討した。その結果、ラットの上記組織に存在する肥満細胞並びに腹腔より得た肥満細胞はいずれも高分子型キニノーゲンおよびTIキニノーゲン(それぞれHKG、T-1KG)を発現し、これらKG蛋白質を細胞内分泌顆粒に貯蔵していることを明らかにした(平成12-13年度)。一方、KGは唾液腺実質に局在するとの報告もあるが、正常ラットにおいて我々は肥満細胞以外にKGの存在を明らかにする事はできなかった。 他方、炎症との関連でKG遺伝子プロモーター領域には炎症性サイトカインであるIL-6等の応答エレメントが存在するため炎症時に誘導される事が知られている(急性期蛋白質)。しかし、全身性の炎症が唾液腺等の外分泌腺においてもKGをはじめCRPやSAP等の急性期蛋白質を誘導するかどうかは不明である。平成14年度はToll like receptorを発現しているC3H/HeNマウスおよびその変異体であるC3H/HeJを用いてLPSによる炎症性サイトカインの唾液腺における誘導を調べた。In vivoにおいてLPSは投与3-6時間後に唾液腺で炎症性サイトカインであるIL-1βを強く、またTNF-αとIL-6を弱くが誘導する事を見いだした。IL-6の誘導は肝臓と異なり、唾液腺では著明ではなかった。 15年度はIL-1βは顎下腺の顆粒性導管に局在すること、および35kDaの前駆体分子に対応するmRNAが存在するが、35kDa蛋白質はWestern blotにより検出されず、17kDaの活性型として存在することが明らかになった。顎下腺の顆粒性導管にはEGFやNGFと共に、mK1、mK9、mK13、mK22など数種類のカリクレインが存在することが知られている。マクロファージより調製した35kDaIL-1β蛋白質とこれらの純化カリクレインをインキュベートしたところ、上記カリクレインのうちmK13のみが17kDaの活性型IL-1βを与えた。現在mK13による35kDa IL-1β切断部位を検索中である。 有害微生物などの主たる進入路の一つである口腔には確実な防御システムが要求される。本研究により「口腔-唾液腺経路(Oral cavity-salivary gland axis)」を経た防御システム、炎症修復機構が存在する可能性が示唆された。
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