研究課題/領域番号 |
13557180
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大坪 邦彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20272601)
|
研究分担者 |
堀川 宏 古川テクノマテリアル株式会社, 特殊金属事業部, 技術開発員
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014200)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
|
キーワード | 超弾性型Ti-Ni合金 / 異方性 / 中空ワイヤー / 矯正用ワイヤー / 形状付与 / 矯正ワイヤー |
研究概要 |
医療用カテーテルチューブに応用するために開発された中空超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーはその内空の存在から従来の超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーに比べさらに持続的で弱い矯正力を発現し、また内空に他のワイヤーを挿入し複合ワイヤーとすることにより、部分的かつ可逆的な荷重可変の矯正用ワイヤーとして用いることが可能であった。本研究の一部は5th International Symposium on Titanium in Dentistry(Chiba)において報告した。 また本ワイヤーは中空という形態的特徴から断面の形状を変化することが容易である。ワイヤー断面の形状付与により、丸型ワイヤーに異方性を二次的に発現させ、矯正臨床において任意の方向に対して矯正力を変化させることが可能となれば、より効率的で歯周組織に対して偽害性の少ない歯の移動も可能になると思われる。そこで本研究ではワイヤー断面の最適形状付与法の検討ならびにその形状付与方法により発現される異方性の矯正力の評価を行い、矯正臨床において実用化することを目的とした。 その結果、加熱した形状付与用プライヤーを用いた直接形状付与法を考案し、この方法を用いることにより超弾性型Ti-Ni合金中空ワイヤーの断面形状付与が可能であった。また、形状付与を施したワイヤーに片持ち梁試験および三点曲げ試験を行った結果、良好な超弾性特性を有したまま、曲げ方向によって異なる二方向性の矯正力、すなわち異方性の矯正力を発現させることが可能であり、本研究結果の一部は60th Annual meeting of the Japanese orthodontic Society(Tokyo)において報告した。 一方、矯正臨床のマルチブラケット法で用いられるワイヤーには曲げだけではなくねじりの変位も同時に加わっているため、実際に発現している矯正力は従来行われてきた曲げとトルクそれぞれの単独試験によるものとは異なる。そこで異方性の矯正力を発現するワイヤーの臨床応用に先立ち、矯正力の新たな評価として三点支持による曲げ・トルク同時試験装置を試作し、各種矯正用ワイヤーの荷重特性について検討を行った。その結果、曲げ変位にねじり変位を組み合わせると曲げ・ねじり単独変位と異なる荷重特性を示し、本試験装置は矯正用ワイヤーのより詳細な荷重特性の評価に有効であることが示唆され、本研究結果の一部は第61回日本矯正歯科学会大会(名古屋)において報告した。 現在、超弾性型Ti-Ni中空ワイヤーを矯正臨床に応用を開始しており、さらには三点支持曲げ・トルク同時試験装置を用いて本ワイヤーの異方性荷重特性についてより詳細な検討を行っていく予定である。
|