研究分担者 |
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
古市 保志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80305143)
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
松尾 克彦 東亜合成, バイオサイエンス研究部, 主任研究員
松下 健二 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90253898)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
血管内皮増殖因子(VEGF)は,歯周局所で,健常部位での健康維持,病変部位での進行ならびに治癒に関与していることが予測される。本研究では,1)培養歯周組織由来細胞におけるVEGFの発現を調べ,歯周病原性細菌の影響を蛋白レベルおよびmRNA発現レベルで検討した。さらに,2)歯肉溝滲出液(GCF)中のVEGFと歯周病の病態との関連について検索した。また,3)血管新生誘導による歯周組織再生へのVEGFの応用について検索するため,培養歯周組織由来細胞に対するVEGFの作用を検討した。その結果,1)歯肉線維芽細胞や歯根膜細胞はVEGFを産生し,歯周病原性細菌として重要なA. actinomycetemcomitansやP. gingivalisの刺激により,蛋白レベルや遺伝子レベルで産生が増強された。2)GCF中のVEGF量と歯周病の臨床パラメーターとの相関を検討した結果,ポケット深さの増加,付着レベルの悪化,BOPと有意な相関を示した。これらの結果から,歯周病原性細菌の刺激によって歯肉線維芽細胞や歯根膜細胞から誘導されたVEGFが血管透過性を異常に亢進させ,歯周病の症状の出現因子として働くことが示唆された。さらに,3)VEGFは,歯根膜由来線維芽細胞におけるc-fos,オステオカルシン、オステオポンティン,BMP-2のmRNA発現ならびに蛋白レベルの上昇を促し,カルシウム濃度およびアルカリフォスファターゼの産生を増加させた。また,VEGFを培地中に加える事により,培養歯根膜細胞中に石灰化物の形成を促進した。これらの結果から,VEGFは,歯根膜細胞を骨系細胞へ誘導する作用を持つことが明らかとなった。また,この様な作用は,VEGF^<121>よりもVEGF^<165>で,顕著であった。これらの結果を踏まえて,今後,VEGF^<165>を用いた歯周組織再生療法への応用を検討する予定である。
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