配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
1.ラジカル反応による炭素炭素結合形成反応 イオン反応は一般に厳密な反応条件が要求されるのに対して,ラジカル反応は安価で環境にやさしい水やアルコール類のプロトン性溶媒中でも効率的に進行する.本研究では主に水溶媒中でのラジカル的炭素-炭素結合形成反応の開発を行い,さらにその応用として各種生物活性化合物の合成を行って本反応の有用性を確認した. ラジカル開始剤として,環境にやさしいトリエチルボラン,金属亜鉛さらには第一イオン化ポテンシャルが低いにも拘わらず水中でも安定な金属インジウムを選択し,主に水溶媒中でのアルキルラジカル付加反応を検討した.その結果,いずれの場合も高収率で反応は進行し目的物が得られた. また,不斉補助基を有する基質を用いてジアステレオ選択的ラジカル付加反応へ展開し,α-アミノ酸類の不斉合成にも成功した.それぞれの反応は分子内反応としても有用であり,タンデム型ラジカル付加閉環(捕捉)反応として官能基化と同時に環状化合物を一挙に合成できる極めて効率的な方法である.また,ポリマーに担持したオキシムエーテルへのラジカル付加反応によるジアステレオ選択的固相反応も行なった. 2.転位反応を基盤とする環境調和型反応の開発 一般に転位反応は使用した基質の全ての原子が有効利用されるためアトムエコノミー適応型反応である.ヒドロキシメートの1,2-Wittig転位反応によるヒドロキシオキシムエーテルの合成を検討した.また,その結果に基づいて生物活性化合物Cytoxazoneの合成にも成功した.さらに,我々が開発したヒドラゾン類の緩和なアシル化条件下での転位反応により天然のインドール類の合成やオキシムエーテル類の緩和なアシル化条件下での新規ベンゾフラン類の効率的合成法の開発とその応用研究を行なった.
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