配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
組織形成因子は組織修復・再生などの医薬への応用が期待されている。FGFは細胞増殖因子、神経栄養因子、血管新生因子などとして多様な生理作用を示すともに、重要な組織形成因子であることが知られている。我々は組織形成因子としてのFGFに着目し、新規なFGF遺伝子を探索した。本研究では申請者らは、FGF10.FGF18の役割を明らかにするため、FGF10,FGF18ノックアウト(KO)マウスの表現形質を解析した。FGF10は脂肪細胞の分化初期に発現し、前駆脂肪細胞の増殖と分化に必要な因子であることが明らかになった。一方、FGF18は前駆骨細胞の増殖と分化を促進させていることが明らかになった。さらに、軟骨細胞に対しては、FGF18は増殖軟骨細胞の増殖を抑制し、肥大化軟骨の分化を促進していることが明らかになった。 我々の研究により、FGF-10,FGF-18は脂肪、軟骨組織修復因子の有用性が期待された。しかし,FGFは高分子性のポリペプチドであるため,構造が複雑で,不安定であり,投与方法も限られている。従って,FGF様活性を有し,構造がより簡単で,安定な化合物の開発を試みた。組換えFGF受容体タンパク質の細胞外ドミインのリガンド結合能を指標にして、Random peptide libraryをスクリーニングした。その結果、数種類の結合ペプチドを同定した。さらに、FGF受容体高発現細胞を用いて、陽性ペプチドをFGF受容体のリン酸化を指標にして調べたところ、一つのペプチドが弱いながら、FGF受容体のリン酸化能を示した。さらに、初代培養脂肪細胞、初代培養軟骨細胞を用いて、そのペプチドの細胞増殖能を調べたところ、弱いながら細胞増殖能を有することが明らかになった。上記の手法により低分子性のFGFアンタゴニストが単離することが可能であることが示された。従って、本研究の当初の目的はほぼ達成されたものと期待される。今後は手法を用いて、引き続きスクリーニングし、より高活性な低分子性のFGFアンタゴニストの探索を目指す。
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