研究課題/領域番号 |
13557203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 網膜変性 / 神経細胞死 / アポトーシス / ドバミンニューロン / グルタミン酸 / 興奮毒性 / 神経栄養因子 / アストロサイト / 網膜裡経節細胞 / ドパミンニューロン / 画像解析 / 中脳切片 / 線条体切片 / ドパミン / カリウムチャネル / 神経線維 |
研究概要 |
中枢神経組織の培養切片あるいは単離培養ニューロンの画像をオンライン処理して神経細胞の形態の定量的評価を行うシステムを構築し、ニューロン変性およびニューロン保護に関する検討を行った。(1)上丘に予めDiIを注入した新生仔ラットより網膜組織培養を作成し、網膜神経節細胞(RGC)の形態を観察した。RGCは網膜組織内で一平面上に並んだ蛍光スポットとして観察され、その数は培養日数が経過するにつれて減少し、また細胞の萎縮を反映する各スポットのサイズの減少が認められた。Cycloheximideあるいはactinomycin Dを培養開始時から適用すると、RGCの生存率の低下は顕著に抑制された。Caspase-3選択的阻害薬DEVDを処置した場合にもRGC生存率の経日的減少は有意に抑制された。また、神経節細胞層に限局してDNAの断片化が観察された。これらの結果は、経日的なRGC生存率の低下がアポトーシスの誘導を主要因としていることを示している。さらに、NO合成酵素(NOS)阻害薬であるL-NAME、あるいは神経型NOSの比較的選択的な阻害薬である7-nitroindazoleがRGCの生存率低下を顕著に抑制したことから、神経型NOS由来のNOがRGCのアポトーシス誘導に重要な役割を担っていることが示唆された。(2)培養中脳切片を高濃度のMg^<2+>を含む培地中で維持するか、あるいはNMDA受容体遮断薬を培養中脳切片に長期間適用することによって、中脳切片内のドパミンニューロン数が顕著に減少することを見出した。処置後に残存しているドパミンニューロンには神経突起の著しい発達不全が認められた。アデニル酸シクラーゼ活性化薬やcyclic AMPアナログを共適用しておくと高Mg^<2+>あるいはNMDA受容体遮断薬長期間処置の効果は消失した。すなわち、自発的神経活動に伴って生じる適度のNMDA受容体活性化が中脳ドパミンニューロンの初期発達および生存維持において重要な寄与をしていること、この効果にcyclic AMP系の情報伝達経路の活性化が関与していることが示唆された。
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