研究課題/領域番号 |
13557212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小林 進 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70101102)
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研究分担者 |
内呂 拓実 東京理科大学, 薬学部, 講師 (00307711)
室伏 きみ子 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (00103557)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 癌の浸潤 / 癌転移 / リン脂質 / 環状ホスファチジン酸 / ホスファチジン酸 / リゾホスファチジン酸 / 癌細胞の浸潤 / アポトーシス誘導作用 |
研究概要 |
PHYLPAは共同研究者の室伏らによって細胞増殖を抑制し、DNAポリメラーゼαを特異的に阻害する物質として真性粘菌Physarum polycephalumより単離されたリン脂質である。構造的に最もユニークな点はグリセロールの環状リン酸ジエステル骨格で、これはPHYLPAによって初めて見出された部分構造であ、我々はこれらの類縁体をcPAと総称することを提案した。我々はPHYLPAが単離されて以来、室伏らと共同研究を行い、環状リン酸ジエステル骨格の構築法の開発、PHYLPAの可能なすべての異性体の合成、生物活性の比較によるPHYLPAの立体化学の決定、各種類縁体の合成、生物活性評価を行ってきた。これらの研究を通して、cPAはLPAと細胞増殖に関して相反する生理作用を示すことを見出した。PAが癌細胞の浸潤を誘導することから、相反する作用を示すcPAに興味を持ったのが本研究を開始したきっかけである。期待したように、cPAは癌細胞の浸潤を用量依存的に抑制し、また、実験的肺転移の系でも効果を発揮した。さらに、cPAの化学的および酵素的な安定化を意図した分子設計を行い、2位および3位の酸素原子を炭素原子に置き換えたカルバ誘導体をデザインした。3-0-carba-cPAはキラルなベンジルグリシジルエーテルから光学活性体として、また2-0-carba-cPAは、アキラルなジオールの酵素的アシル化によって得られるキラルシントンから両対象体の合成に成功した。初期段階の結果であるが、これらのカルバ誘導体はcPAと比べて約100倍近く強力にがん細胞の浸潤を抑制することを見出し、癌の転移抑制剤としての可能性を示すことに成功した。
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