配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
本研究では,1)P-セレクチンの単球への結合による単球からのサイトカイン産生亢進,2)硫酸化シアル酸誘導体によるP-セレクチン依存性細胞接着の抑制,3)血液透析膜と血液細胞との接着反応および白血球活性化反応の特性を明らかにし,そのメカニズムを解明することを目標とし研究を進め下記のような成果を挙げた. 1)精製P-セレクチンを固相化したプレート上で単球を培養し,その培養上清に放出されたサイトカインをELISA法により測定した.その結果,インターロイキン1(IL-1), TNF-α,IL-12,MIP-1(macrophage inflammatory protein-1)α,MIP-1βが産生されることが判明した.また,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF),monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1),インターフェロン(IFN-γ)の前処理によって単球からのP-セレクチン依存的なTNF-αの放出が増強されることがわかった. 2)化学合成された硫酸化シアル酸誘導体(NMSO3)が,P-セレクチン強制発現CHO細胞あるいは固相化P-セレクチンへのHL-60細胞の接着を濃度依存的に阻害した.また,単球からのP-セレクチン依存的なTNF-α産生および放出を阻害した. 3)血液透析に用いられるホローファイバーへの血小板の接着は,親水性が高い素材に比べ,疎水性が高い素材において高かった.また,血小板接着活性の高い素材においては,血小板存在下で好中球からの高い活性酸素産生が認められた.一方,血小板接着活性の低い素材では,血小板存在下および非存在下にかかわらず活性酸素産生量が低かった.
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