配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本申請研究は,遺伝子ベクターの体内動態及び細胞内動態を定量的に解析し,各素過程をウイルスベクターと非ウイルスベクター間で定量的に比較評価し,遺伝子ベクターの開発に新しい突破口を開くことを目的とした.ウイルスベクター及び非ウイルスベクターに関して,細胞内動態に関する定量的比較評価を中心に,細胞内動態の各素過程を両ベクター間で定量的に評価し,発現効率に見られる大きな差の原因を追求した.第一段階は,細胞内動態の定量的評価系の確立のために,リポフェクタミンプラス(LFM),オクタアルギニン(R8),ステアリルオクタアルギニン(STR-R8)の比較を行った.その結果,いずれのベクターもエンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれ,エンドソームを脱出の後に,核へ移行し,遺伝子発現を行うことが明らかとなった.しかしながら,エンドソーム脱出速度には,大きな差がみられ,LFM>STR-R8>R8の順番であった.また,核移行速度にも同様の順位が見られ,LFMの細胞内動態は,アデノウイルスベクターに匹敵する効率を有することが明らかとなった(H.Akita, R.Ito, I.A.Khalil, S.Futaki and H.Harashima. Quantitative three-dimensional analysis of the intracellular trafficking of plasmid DNA transfected by non-viral gene delivery system using confocal laser scanning microscopy. Mol. Ther. 9:443-51 (2004)).ウイルスベクターと非ウイルスベクターの細胞内動態に関する定量的比較評価についても検討を行っており,現在予備的な結果では,細胞内取込過程,核内転写効率の過程に大きな違いが見られている.
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