研究課題/領域番号 |
13557219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 教授 (70197226)
楠原 洋之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00302612)
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | トランスポーター / 薬物間相互作用 / OATP2 / MRP2 / 肝胆系輸送 / OCT / セリバスタチン / ビグアニド系抗糖尿病薬 / OCT1 / OCT2 |
研究概要 |
1.ヒト、ラット肝臓における薬物の経細胞輸送をモデル化した系として、薬物の取り込みおよび排泄に関与するヒトorganic anion transporting polypeptide 2 (OATP2)/multidrug resistance associated protein 2 (MRP2)、ならびにラットOatp4/Mrp2共発現系を生理的な極性を維持した状態で構築することに成功した。両トランスポーターの典型的な基質であるestradiol-17β-glucuronide、pravastatinなどは、basalからapical方向へのベクトル輸送がみられた。また、ラットin vivoにおける肝クリアランスと共発現系の経細胞輸送クリアランスとの間には、補正係数を乗じることで非常に良好な相関がとれることが明らかとなり、本実験系がin vivo肝排泄の予測に用いうる可能性が実証された。 2.トランスポーターが関与する疑いのある臨床での有害事象の事例解析として、シクロスポリンA(CyA)とセリバスタチン(CER)の相互作用メカニズムを、OATP2発現系ならびにヒト凍結肝細胞などを用いて検証した。その結果、CyAはCERのOATP2を介した輸送を低親和性で阻害し、その阻害定数は、ヒト肝細胞で得られた値、また臨床での非結合型薬物濃度とほぼ同等であること、またCyAによるCERの代謝阻害の程度が比較的弱いことから、メカニズムの一つとしてOATP2を介した肝取り込み過程における相互作用を提唱することができた。また、カチオン性のビグアニド系抗糖尿病薬の肝、腎への輸送メカニズムを調べたところ、いずれもOCT(organic cation transporter)1,2により輸送され、またOct 1(-/-)マウスにおいて、肝臓への分布が低下したことから、肝へはOCT1が、腎へはOCT1,2が関与している可能性があり、肝へのOCT1を介した取り込みが、乳酸アシドーシスの副作用の一因となっていることを示唆した。
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