配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
申請者は以前、ウサギ脳脈絡叢から新規蛋白質をクローニングし,parchorinと名付けた.parchorinは細胞内小胞の塩素イオンチャネルと考えられているCLIC(chloride intracellular channel)ファミリーのメンバーであり,水分移動に関わっている細胞特異的に発現しているが,その生理機能を解析することが困難であった.そこで本研究では,parchorinノックアウトマウスの作成を行い,これを疾患モデル動物として利用することを企図した.まずdegenerated primerを設計し,マウス脈絡叢mRNAからRT-PCRによりクローニングを試みた.そこで得られた配列は,新規CLICメンバーと考えられたが,同時期他のプロジェクトの共同研究者によりヒトCLIC5及びそのスプライシングバリアントCLIC5Bが同定された.配列や組織分布から,我々が得た配列はparchorinでなくCLIC5Aのマウスホモログであると考えられた.その後,蛋白精製より得られたアミノ酸配列を手がかりに,マウスゲノムプロジェクトの成果も利用して,マウスparchorinの全配列を決定した.公開されたマウスゲノムに基づいてexon1を置き換えるターゲティングベクターを構築した.その際,種々の状況に対応できるように,Cre/lox,FLP/Frtによるコンディショナルノックアウトの系を採用し,組み替え体選択のためのneomycin耐性遺伝子を除くこと,および時期あるいは組織選択的なparchorinノックアウトを可能とした.常法に従ってマウスES細胞の組み替え体を得,キメラマウスを作成し,本研究終了時にはヘテロマウスが誕生した.以降,ヘテロマウスの掛け合わせにより,ノックアウトマウスが出生すれば,その病態生理を解析する予定である.
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