研究分担者 |
佐藤 健 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 教授 (00271635)
吉田 哲也 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80294164)
鷲尾 隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00192815)
寺邊 正大 三菱総合研究所, 安全科学研究本部, 研究員
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
知識ベースシステムは専門家の高度な知識を問題解決に有効に活用するための実用的な手法を提供してきたが,知識獲得の困難さはいまだに解消していない.技術革新の激しい今日,既存の知識は急速に価値を失い,無用になった知識を保持しておくことの弊害も顕在化し,知識の獲得と保守管理を別々に扱う従来型の発想はもはや通用しない.一方,機械学習技術の進展およびデータマイニングの浸透により,知識源として専門家の頭脳だけではなく,蓄積された事例を積極的に活用するメリットも顕在化している.このような状況の変化に直面し,知識獲得技術も新たな局面を迎えている.本研究では,認知科学的知見を導入した既存知識の洗練という新しい考えに基づく専門家からの知識獲得と機械学習の成果であるデータからの帰納学習法を統合した,新しい知識獲得手法を提案し,その効果を実データで実証した.具体的には1)知識がどのようにして獲得・格納されたかを知る必要がなく,かつ,追加された知識によって知識ベース中にすでに格納されている知識の整合性を崩さないことを理論的に保証し,2)継続的な変化に対応した頻繁な知識の更新と削除によっても知識の整合性保持を保証し,知識ベースの可読性劣化を最小限に抑え,3)蓄積された事例の積極的活用により専門家への心理的負担を激減させた,環境変化に追従する可塑性型知識獲得システムを開発した.実装システムを多数の異なった領域の知識獲得に適用し,所望の性能がでることを検証した.これにより,例えば,システム開発の初期のみに専門家から知識獲得し,データが蓄積されるとデータから直接帰納推論して学習器を逐次構築し,かつ周囲の環境が変化した場合もシステム開発者はどの知識を削除すべきかに悩むことなく不要な知識を自動的に削除してくれる知識獲得システムの構築環境を提供できたものと考える.
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