配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
近年,医者の経験不足を解消し医療ミスを低減するために,仮想現実感(の技術を用いた手術訓練シミュレーションが多く開発されているが,多くが視覚情報のみによるシステムであり,特に稠密なモデルを対象としたシステムは少ない.こで,稠密なモデルを再現するためにVoxelモデルを対象としてユーザに触覚を返すための力覚フィードバック装置としてPHANToMをシステムに導入し,メスによる仮想人体モデルの切断を試みた. 負荷の大きい力覚計算とVoxelの描画・干渉判定計という問題を解決するためにシェアードメモリ方式の光ネットワークであるSCRAMNetを用いて2台のPC連結し,力覚計算・干渉判定計算とVoxel描画それぞれのプロセスを並列に処理させた. メスを構成する単位Voxelが物体に干渉した場合,切断不可能な場合はめり込みに応じた弾性力をユーザにフィードバックする.切断可能な場合,人体Voxelを消去し,めり込み量に応じた弾性力をフィードバックしつつ,メスの押し引きの大きさや干渉したVoxelの個数(面積)から剪断力を算出し,あらかじめ設定した対象モデルの剪断力の閾値と比較し,閾値を超えた場合,与えていた弾性力を無効化し,速度による関数である粘性抵抗をフィードバックする. このときの弾性力と粘性力との差によってユーザは切断したことを体感することができる. さらに,メスを刃の方向には進入できるが,刃面に対し垂直な方向への移動を制約することにより,刃先のふれをなくした.実験的に皮(柔らかい)モデル,肉(硬い)モデル,骨(切断不可能)モデルの3種類を模擬し,被験者テストによって良好な評価を得た.切断中に、異なる材質にメスが干渉した場合,まず弾性力を与え,剪断力の閾値を超えた時点で粘性力に切り替えるため,異なるモデルに干渉したということが直感的に感じることができた.しかし,切断時のモデルの変形やメスの回転換作に伴ったトルクを返すことは未完となった
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