研究課題/領域番号 |
13558057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高村 秀一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40023254)
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研究分担者 |
井口 哲夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60134483)
大野 哲靖 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (60203890)
上杉 喜彦 金沢大学, 工学部, 教授 (90213339)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 電位井戸 / トカマク / 電極バイアス / 慣性静電閉じ込め / 重水素プラズマ / 核融合反応 / 中性子源 / 熱電子放出電流 / 深い電位井戸 / トカマク装置 / 慣性静電閉じ込め核融合 / 熱電子放出 / プラズマ熱電流 / プラズマ熱流 |
研究概要 |
熱電子放出材料であるLaB6の小円板をタンタルで保持した陰極を交流運転トカマク・プラズマ中に挿入し、ピークプラズマ電流1.0〜1.5kAの放電を行い、そのプラズマ熱流により陰極の加熱を行った。十分高い電圧を陰極に印加することによりアーク電流が発生し、陰極からの熱電子放出電流を100A以上にわたって安定に得ることができた。得られた電位井戸電庄と電極電流の比によってプラズマの径方向抵抗Rrを定義し、そのトロイダル磁場強度Bt電極電流Igに対する依存性を実験的に明らかにした:Rr∝Bt^<1.0>-Ig^<(1.0~1.2)>。この段階では、最大-0.3kVの深さの電位井戸に留まっていた。しかし、プラズマ電流Ipが500A以下において、状況は著しく変化した。Bt=0.11Tを境にして、Rrは前述と大きく異なるスケーリングを持つことが明らかにされた。すなわち、Ip【greater than or equal】500Aの時には、前述のようにRr∝Bt^<1.0>であるが、Ip【less than or equal】500Aでは強い依存性でBtと共に大きくなり、Bt【greater than or equal】0.11TではRr【greater than or equal】5Ωなる高いRrが得られた。また、同条件下でRr∝Ip^<-(0.4-0.5)>に従って、Ipが小さいほど抵抗が大きくなることも判明した。このようにしてIg【approximately equal】100A,Bt=0.13Tで-0.7kVに達する深い電位井戸の形成に成功している。背後にある物理機構は現在のところ不明であるが、ExBによるプラズマの強いポロイダル回転がポロイダル・アルヴェン速度を凌駕するときに衝撃波が発生し、異常抵抗が生まれるという考えがあり、それとの関連を調べている。実験においては深い電位井戸の形成と併せて、100Vに達する大きな電位の振動とそれに同期するイオン飽和電流の逆位相振動というダイナミクスが観測され、電位井戸形成の分岐的挙動と共にプラズマ物理としても極めて興味深い課題を提供している。Rrさて、比較的高い径方向抵抗が得られる見通しが立ったので、現有高電圧パルス発生装置(最大電圧:-5kV、最大電流:200A、最大パルス長:250マイクロ秒)を用いて重水素プラズマではkV級の電位井戸が得られ、中性子源開発の基礎が確立されると考えている。
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