研究課題/領域番号 |
13558096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
澤井 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20202103)
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
森 望 国立長寿医療研究センター, 分子遺伝学研究部, 部長(研究職) (00130394)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 網膜神経節細胞 / SCG10 / 軸索再生 / 微小管 / アデノウィルス / bcl-2過剰発現マウス / アポトーシス / 海馬神経細胞 / Bcl-2過剰発現マウス |
研究概要 |
成熟哺乳動物の中枢ニューロンは軸索損傷を受けると再生は極めて困難である。本研究では、軸索切断された網膜神経節細胞の軸索再生を促進するために、微小管の制御蛋白の遺伝子を強制誘導してその効果の有無を調べようとした。その候補蛋白として微小管制御因子であるSCG10を選んだ。これまでの研究から、SCG10ファミリー蛋白は、微小管の脱重合を通して、神経細胞の細胞骨格形成に関わっており、神経可塑性や軸索再生に関与しているとされてきた。そこで、まず、SCG10遺伝子を特異的に発現するウイルスベクターを作成して、海馬の培養ニューロンに適用したところ、遺伝子導入群ではSCG10の発現上昇は見られたものの、予想に反して神経突起の長さ、分枝数で有意な低下が見られた。従って、SGC10だけでは軸索突起伸展への抑制効果があることが分かった。さらに、SCG10類似の微小管制御蛋白であるRB3,SCLIP,Stathmin等の遺伝子との組み合わせ導入を試みたが、それらの効果を調べるまでには至らなかった。さらに、これまでの研究から、網膜神経節細胞の軸索切断後のアポトーシスが抑制されている、Bcl-2過剰発現マウスを用いて、その網膜神経節細胞の単離培養を試みたがこれも成功しなかった。 そこで、平成16年度には、SCG10分子の微小管脱重合の制御に関わる領域を明らかにするために、SCG10と同様のN末端領域を持ったRB3のfull-lengthとN末端が欠損したRB3のshort truncatedとで、微小管脱重合に対する効果を比較した。その結果、N末端領域が、特異的に微小管の重合に関与していることが明らかになった。このように、SCG10ファミリーは、その特徴的なN末端領域の調節的役割を通して微小管のダイナミズムを制御し、それによって、神経細胞突起の伸展や細胞の形態形成がなされることが明らかとなった。
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