研究課題/領域番号 |
13558106
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
由井 伸彦 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (70182665)
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研究分担者 |
大谷 亨 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (10301201)
井上 正樹 金沢大学, 医学部付属病院, 教授 (10127186)
村上 弘一 金沢大学, 医学部付属病院, 講師 (20242555)
佐藤 郁夫 チッソ株式会社, 横浜研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | ヒアルロン酸 / 子宮内膜症 / ステロイド剤 / ヒドロゲル / 放出 / ヒアルロニダーゼ / チョコレート嚢腫モデル / 溶解 / 薬物放出 / 滅菌 / 3次元架橋 / アルキルアンモニウム / 抗原性物質除去 / イオンコンプレックス / 架橋 |
研究概要 |
本研究では,長期埋植を可能とする生体適合性ヒアルロン酸(HA)ゲルの設計を推進し,子宮内膜症の治療を可能とする薬物放出デバイスの創製を目的としている。当該研究期間において、以下の研究項目について推進した。 (1)HAのグルクロン酸単位(カンボン酸)を長鎖ジアルキルアンモニウム塩に置換してHAを非極性溶媒に可溶化する方法の確立 HAと各種ジアルキルアンモニウム塩とのイオンコンプレックス形成を水中にて検討したところ,ジステアリン酸塩酸塩(DSC)が最も収率よく回収できかつ非極性有機溶媒に可溶であった。 (2)ステロイド剤(ダナゾール)含有3次元架橋のための化学修飾及び抗原性物質の除去 HA水酸基のアセチル化をモデル的に有機溶媒中で行ったところ,定量的にアセチル化されかつ抗原性物質(エンドトキシン)を除去できることを確認した。 (3)ダナゾール含有3次元架橋HAの調製とそのヒアルロニダーゼによる分解・ダナゾール放出 HAを3次元架橋する方法として化学架橋と物理架橋とをそれぞれ検討した。特に、HAに疎水性基を導入したステアロイル化ヒアルロン酸(StHA)及びグルタリル化ヒアルロン酸(GlHA)は、ダナゾールを溶解し、ヒアルロニダーゼ分解制御を可能にした。モデルラットへ投与後のダナゾール血漿中濃度を定量したところ、実験期間中を通して経口投与の場合の1/20以下であった。また、嚢胞組織中の濃度は2週間目から著しい減少が見られた。 (4)卵巣チョコレート嚢胞用のダナゾール徐放担体としての評価 ダナゾール担持StHA/GlHA PBS溶液を嚢胞に注入したところ、嚢胞組織中のダナゾール濃度は2週間目から著しい減少が見られた。しかしながら、嚢胞組織を観察すると子宮内膜細胞の萎縮が見られたことから、局所投与によるダナゾールの薬理効果が認められた。すなわち、ダナゾールの局所投与により視床下部下垂体の機能を損ねずに治療効果をもたらす可能性のあることが示唆された。
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