配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
|
研究概要 |
本研究は,頭皮上にファイバを配置する光多点計測法(光脳機能トポグラフィー)と,術中に露出した脳組織を直接撮像する方法による脳機能イメージングにおいて,内因性信号であるヘモグロビン濃度変化がどのように画像化されているかという連関性を検討するものである.光脳機能トポグラフィーについては,MRI画像をもとに作成した頭部モデルを対象に,モンテカルロシミュレーションで光伝播解析を行った.ヒト前額部を対象に時間分解計測を行うことで,頭部モデルの妥当性を検証した.頭部モデルを用いて,入射,検出ファイバーの間隔や頭蓋骨などの組織の厚さが変化したときの,脳組織表面における空間感度分布を解析した.また,光脳機能トポグラフィーの課題とされる空間分解能向上について,ファイバ密度と画像再構築法の両面から検討した.ファィバ対間隔を小さく設置して取得したデータを,空間感度分布を先見情報とした画像再構築アルゴリズムで処理することで,賦活領域が10mm以下であっても正確に画像化が行えることが明らかになった.マルチスペクトル画像に関しては,ヘモグロビン濃度と酸素飽和度が組織中で分布をもつ理論モデルを考えた.このモデルに対して主成分分析を行い,第1主成分がヘモグロビン濃度と光路長に関連していることを示した.複数の狭帯域スペクトル画像を取得するシステムを構築し,ヘモグロビンを混入したイントラリピッド懸濁液とブタ脳組織を対象にマルチスペクトル画像を取得する実験を行い,シミュレーションの結果を検証した.さらに,モルモットの聴覚刺激時の脳機能を測定した.酸素化・脱酸素化ヘモグロビン濃度変化を定量化するため,光路長の波長依存性をマルチスペクトル画像の第1主成分から実験的に推定した,聴覚刺激開始直後に,モルモットの聴覚野において酸素化ヘモグロビン量が増加し,脱酸素化ヘモグロビン量が減少する傾向を捉えることができた.
|