配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
|
研究概要 |
側鎖に反応性官能基を有するデプシペプチド-乳酸ランダム共重合体の組織工学材料としての評価を行った。反応時の環状デプシペプチドとラクチドとの仕込み比率を変化させて,共重合組成が異なるデプシペプチド-乳酸ランダム共重合体を合成した。得られた共重合体をキャストし,表面に種々の量の負電荷または正電荷を有するフイルムを調製し,そのフィルム上でマウス繊維芽細胞を培養し,細胞接着率・増殖速度に及ぼす表面荷電の種類(正・負)と量の影響について調べた。その結果,ポリ乳酸フィルムと比較して,正負どちらの電荷の場合であっても,少量の電荷を有する場合には,細胞の接着率が向上した。細胞培養に伴なうフィルムの分解性を検討したところ,共重合体はポリ乳酸と比較して高い分解性を示した。フィルムの分解が進行していても,細胞の増殖が大きく阻害されることは無かった。さらに,共重合体をジオキサン溶液から凍結乾燥することにより、表面に種々の量の負電荷または正電荷を有する生分解性スポンジを調製した。共重合体スポンジ上で、マウス繊維芽細胞を培養し、細胞増殖速度に及ぼす表面荷電の種類と量の影響について調べた。その結果、電荷をほとんど持たないポリ乳酸フィルムと比較して、正負どちらの電荷の場合であっても,少量の電荷を有する場合には、細胞の増殖率が向上することがわかった。また、細胞培養に伴なうスポンジの分解性を検討したところ、共重合体はポリ乳酸と比較して高い分解性を示し、デプシペプチドユニットの導入率が高いものほどその影響は顕著であった。さらに神経前駆細胞PC12を用いて共重合体フィルム上で細胞接着について検討した。その結果、少量の電荷を有する場合には細胞接着率がポリ乳酸フィルムと比較して大きく向上することがわかった。
|