研究課題/領域番号 |
13571038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木下 尚子 熊本大学, 文学部, 教授 (70169910)
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研究分担者 |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
黒住 耐二 千葉県立中央博物館, 上席研究員 (80250140)
王 巍 中国社会科学院考古研究所, 副所長
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | タカラガイ / 安陽殷墟 / 中国 / 琉球列島 / 商周代 / 黄河流域 / 台湾 / 共同研究 / 新石器時代 / 流通 / 威信財 / マクラガイ / 青銅器文化 / 台湾海峡 / シャンクガイ / 搬入ルート / 流入ルート / 中国東南沿岸 / 殷墟 / 青海省 |
研究概要 |
本研究は、古代中国において威信財ならびに貨幣として流通したタカラガイを対象に、その消費地、産地、流通経路を明らかにし、東アジアにおけるタカラガイ産地である琉球列島との関係を探ることを目的にした日本と中国の、また考古学と貝類学の共同研究である。中国社会科学院考古研究所ならび青海省文物考古研究所と共同で、4年間の研究を進め、安陽殷墟を中心に、合計32遺跡、183遺構(うち墓は176)で出土したタカラガイ21993個を実見し、11142個をデータ化した(大きさ、加工の程度、磨耗の程度など)。その結果以下が明らかになった: 1.中国新石器時代から商周代において、海産貝類を威信財に用いる習俗は黄河流域に集中する。 2.黄河流域に認められる貝類は、2綱18科67種におよび、その9割以上がタカラガイである。 3.安陽殷墟で出土した貝類約1万個のうち、8割弱は現在の台湾、南中国海、琉球列島などの熱帯海域に生息するもので、2割弱は南中国海から東中国海に生息するもので占められている。 4.出土貝類の組成分析を踏まえると、これらがインド洋経由でもたらされた可能性は低い。 5.山東半島に、安陽殷墟と同様の貝類組成をもつ商周代の遺跡があり、貝殻の出土状況の検討から、この地の人々が中原への貝類流通に関わっていた可能性が高い。 6.中原で消費されたタカラガイは、台湾を含む中国東南沿岸域で採取され、山東半島を通って黄河流域にもたらされた可能性が高い。 7.中国においてタカラガイの消費量が増大する商周代併行期、台湾や琉球列島で玉加工品やこれに関わる製品が流行する。これはタカラガイの採取を目的として移動した人々の動きを反映する可能性がある。
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