研究課題/領域番号 |
13572014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
太田 勝洪 法政大学, 法学部, 教授 (10061136)
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研究分担者 |
趙 宏偉 法政大学, キャリアデザイン学部, 助教授 (40265773)
下斗米 伸夫 法政大学, 法学部, 教授 (80112986)
菊池 道樹 法政大学, 経済学部, 教授 (90143718)
高原 明生 立教大学, 法学部, 教授 (80240993)
田中 信行 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70217058)
国谷 知史 新潟大学, 法学部, 教授 (90234468)
唐 亮 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (10257743)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 中国政治 / 政治文明論 / 社区 / 三農 / 県域経済 / 社団 / 費改税 / 海選 / 競争選挙 / 2票制 / 自治指向型コミュニティ / 民間非企業単位 / 株式組合制 / 海選直推 / 中国の市場経済化 / コミュニティ / 中国の民主化 / 村民委員会 |
研究概要 |
平成13年度〜15年度、11人の研究分担者は中国各地に学術調査に赴き、日本では合計14回の定例研究会のほかに、海外共同研究者を招いた国際シンポジウムやアジア政経学会、アジア経済研究所などとの共催での特別研究会を開催した。最終年度に著書『中国の市場経済化と国家の変容』を完成し、科研費出版助成を申請した。 著書は3部10章からなり、中国における市場経済化と国家の変容を研究し、主に基層レベルでの局面に絞って、その実像と問題点を明らかにした。 「第1部 基層レベルの民主化と限界」では、制度としての民主化を表徴する基層レベルでの選挙の有り様を検討する。第1章は4つの発展過程に時期区分して、基層レベルでの選挙制度の進展と農民によるその活用を描き、またその問題点を分析した。第2章は村党組織と村民委員会との関係の新しい変化を分析した。第3章は、都市部の人民代表の選挙において「民選候補」「自薦候補」が多く出て競争選挙となりつつある実態を分析した。それは、中所得層が増大し、彼らが経済上の権益保持と政治的地位の向上を要求するようになったためである。 「第2部 農村ガバナンスと『三農』危機」は農村問題を論じた。第4章は「三農」すなわち、農業、農村、農民の問題を政治学的視点から農村ガバナンスに絞って分析を行った。第5章は農村税費改革の研究であり、重点試行省である安徽省をはじめとする聞き取り調査を踏まえて、著者独自の政治文明論を用いて論証した。第6章は、県域経済の研究であり、県域経済の発展、県の都市化と農村経済の発展は中国の将来を左右するものであると分析してみせた。第7章は有名な温州モデルがいかに可能になったかを詳細に分析し、地方政府のガバナンスがいかに重要であるかを指摘している。 「第3部都市の基層変動と市民社会化」は、計画経済期に都市住民を支配する末端装置である「単位」が崩壊したこと、言い換えれば、「単位人」から「社会人」への巨大な変動を対象とする。第8章「社区」の諸類型を分析した。第9章は都市の住宅商品化と都市地域組織の関係を法的側面から検討した。第10章は、ITなどの驚くべき速度での進歩を検証し、党政機関が情報を制御しようとしてももはや不可能であることを論証した。
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