研究課題/領域番号 |
13572016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西澤 昭夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80257435)
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研究分担者 |
福嶋 路 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70292191)
大滝 精一 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20138556)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2003年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ベンチャー企業 / Innovation Cluster / 産学官連携と技術移転 / Influencerと支援システムの形成 / ビジネスエンジェルとベンチャーキャピタル / ハイテク産業創出 / 転職ネットワーク / Weak-tieとStructural Roles / 産学官連携 / 技術移転 / 支援専門家 / Influencer / エンジェルとベンチャーキャピタル / キャリア・ネットワーク / ネットワーク組織 |
研究概要 |
1990年代のアメリカ経済は、ITを中心としたハイテク産業の発展により、長期の好況を享受した。この好況は、産学官連携によるベンチャー企業(VB)の地域的集積を通じた、ハイテク産業創出を基盤とするものであった。アメリカにおけるハイテク産業集積地は、従来のボストン及びシリコンバレーから、優れた研究実績を持つ研究大学が存在する全米各地へと拡大したのである。 本調査研究では、シリコンバレー以外で最も成功したハイテク産業集積地として注目されたオースティンを分析対象とし、その形成論理を明らかにすることを目的とした。オースティンのハイテク産業集積形成は、シリコンバレーとは異なり、MCCやSEMATECHのような既存大企業によるインダストリー・コンソーシアムの誘致から始まり、最終的にはシリコンバレー型のベンチャー企業集積を形成して、ハイテク産業集積を創出した。この点では、1980年代からのアメリカ経済再生策を地域で実現したケースとなっており、オースティンは、1990年代に生じたアメリカ経済の好況基盤となる、VBによるハイテク産業創出を典型的に実現したケースと位置付けることができる。 その成功要因は、調査報告書でも明らかにしたとおり、MCCが想定したリニア・モデル型の技術移転が失敗して、VB創業支援に向かわざるをえず、その支援システムとして、創業期のVBに場所を提供し経営支援を行うインキュベータを整備し、かつ、「死の谷」乗り切りにとって最も重要な資源である、ヒトとカネの調達ネットワークを組成して、インキュベータにおいて統合するという支援システム、Innovation Cluster形成にあった。ただし、Innovation Clusterも、技術基盤によっては十分な機能を果たしえない限界も持っていた。 本調査研究では、こうした分析結果から、VB創業支援によるハイテク産業創出には、先ずもって、地域における技術とヒト、及びこれら経営資源を調達して事業に投入する原資としてのリスクマネー供給の仕組みの重要性を明らかにしえたように思われる。
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