研究課題/領域番号 |
13573004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 知充 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50002100)
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研究分担者 |
西村 浩一 防災科学研究所, 長岡雪氷防災研究所, 主任研究員 (10180639)
伏見 硯二 (伏見 碩二) 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (10109358)
小林 俊一 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (70001659)
檜垣 大助 弘前大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10302019)
原田 鉱一郎 宮城県農業短期大学, 講師 (60331279)
知北 和久 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70142685)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (90235739)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | ネパール・ブータンヒマラヤ / イムジャ氷河湖 / モレーン堰き止め氷河湖 / モレーン / デブリ氷河 / カービング / 氷河湖決壊洪水 / ルゲ氷河湖 / 氷河内水脈 / 氷河湖の形成機構 / 氷河湖の発達機構 / ネパールヒマラヤ / ブータンヒマラヤ / 氷河湖台帳 / 氷河期 / モレーン堰き止め湖 / GLOF / 氷河地下水盆 / イムジャ氷河 / 氷河湖 / デブリ被覆氷河 / 氷河末端氷崖 / 湖盆形態 |
研究概要 |
近年の地球温暖化の影響であろうか、半世紀ほど前からヒマラヤ山脈の南北両斜面に発達する表面が岩屑に覆われた谷氷河消耗域の末端付近に、氷河湖が多数形成され始めた。ところが、同じ気候条件下にあり、同じような形態の谷氷河であっても、ある氷河には氷河湖が形成されているのに、他の氷河には氷河湖が形成されていない。何故ある氷河には氷河湖が形成され他の氷河には無いのであろうか?今回の研究によって、氷河内水系、岩屑に覆われた氷河の融解速度と氷河の上昇流速から計算される氷河表面の低下速度(氷厚の減少)を考慮した氷河湖形成モデルを導き出すことによって、この問題に対する回答を得ることができた。 氷河湖が一旦形成されると、その拡大速度は非常に大きく、わずか30〜40年の間に、深さ100m、貯水量3000万〜8000万m^3もの巨大な湖に拡大成長する。何故これほどの高速で拡大するのであろう?氷河湖の拡大機構を以下のように説明出来ることが分かった。太陽放射で暖められた氷河湖表面の水が、日中卓越する谷風によって、湖に接する氷河末端部に形成されている氷崖へと吹送され、氷崖喫水線下部の氷体を効率よく融解する。そのため、下部を抉られた氷崖が湖へと崩れ落ちる(カービング)ことによって、湖は急速に上流側へと拡大する(氷河は逆に効率よく縮退する)。一方、湖底の氷は約2〜3℃の水温を持つ湖水で融解され、水深を増す。この両者によって湖は拡大している。湖の熱収支を計算すると、湖に崩れ落ち小氷山となって漂う氷の融解と湖底氷を融解させるに要する熱量は、アルベドの小さな湖表面が吸収した太陽放射エネルギーで主に賄われていることを確認した。 研究成果の一部は3冊の英文報告書及び、3冊の邦文研究報告書として出版されている。
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