研究課題/領域番号 |
13574003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
横田 漠 宮崎大学, 工学部, 教授 (90037888)
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研究分担者 |
瀬崎 満弘 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80136803)
秋吉 康弘 宮崎大学, 農学部, 教授 (30041031)
田辺 公子 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 講師 (00179805)
中川 啓 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90315135)
神野 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80038025)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 砒素2次汚染 / 地下水砒素汚染 / バングラデシュ / 土壌砒素汚染 / 砒素除去装置 / 鉄共沈 / 食物砒素汚染 / 砒素汚染 / 地下水 / 地下水流動 / 砒素除去 / 鉄酸化 / 共沈 / 地下水流道 |
研究概要 |
バングラデシュのマルア村を対象として以下のような成果が得られた。 1)地下水砒素汚染の循環モデルの検証 (1)環境基準である0.05mg/Lを超える井戸は、マルア村全体で60%を超えているが、それは、砒素を含む泥質層が第1帯水層中に多く挟在しており、取水がその泥質層の下方からなされていることに起因している。 (2)砒素はほとんど3価の形で存在しており、また、鉄(2価)、アンモニア、重炭酸、リン酸の濃度が高く、ORPも全てマイナスであった。肥料やし尿、生活排水等が地下にひきこまれ、微生物活動が活発になり、地下の還元状態が促進されて砒素溶出を起こしていることが考えられる。 (3)水田土壌中の砒素含有量は乾季に高く、雨季には低く、乾季の地下水灌概による水田土壌への砒素蓄積が起っていることが明瞭になった。また、砒素蓄積量は表層で最も高く、下層にゆくにつれて小さくなっているが、刈り入れ直前ではその逆に下層に多く砒素が蓄積している。雨季の水田では、砒素含有量は5〜10mg/kg程度であり、またその深さ方向の分布も大体一様であった。 (4)稲の部位別砒素含有量は、根>葉>茎>籾殻>米の順となり、稲中の砒素の大部分(マルア村95%、宮崎97%)が根に蓄積され、また、マルア村のコメの部分の砒素量は宮崎のものと大差がないことが認められた。米を通じた砒素の摂取量は、飲料水(As=0.05mg/L)経由のものとも大差がなかった。 2)砒素除去装置(GSF)の開発 (1)本研究ではGSFを2基建設し、その砒素除去性能を1年間にわたって検討してきた。その結果、GSF1号基では原水の砒素濃度0.18〜0.26mg/Lが砂利槽通過後で0.05mg/L前後、砂槽(SSF)通過後では0.02〜0.04mg/Lまで低下し、また、2号基ではそれらが0.10〜0.14mg/L→0.02〜0.06mg/L→0.01〜0.03mg/Lとなっており、いずれも飲料水基準値を十分にクリアーしている。 (2)メンテナンスとして、砂利槽の排水(1回/10日)、砂利洗浄(1回/3ヵ月)、砂層表面の切削(1回/月)を行なえば、(1)の水質は保障されている。 (3)GSFから排出される砒素汚泥の溶出試験結果より、溶出濃度は0.21〜0.27mg/L程度(GSF1号基)、0.10〜0.15mg/L程度(GSF2号基)であり、わが国の土壌汚染対策法の第二溶出量基準0.30mg/Lを満たしていることがわかった。したがって、原位置における封じ込め措置をとればよく、公的な廃棄物処理・処分場が運営されるまでの暫定的な処分方法として、例えば、ポリバケツに密閉したまま、粘土地盤中に埋設するなどが考えられる。
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