研究分担者 |
井上 京 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30203235)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
今 久 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60153706)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
王 秀峰 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (30301873)
谷 宏 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80142701)
松村 伸二 香川大学, 農学部, 助手 (60165868)
脇水 健次 九州大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00240903)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
中国の黄河流域の農業地帯では1972年以降,頻繁に水不足が発生するようになった。この発生機構を明らかにして,適切な農業形態の考察を行った。 黄河流域の水資源評価を行った。GMSにより輝度温度とアルベドを推定し,重回帰分析により14地点の降水量を推定するモデルを作成した。月降水量を推定する場合,RMSEは平均12.5mm/月となり,黄河流域全体の降水量は減少傾向がないことが示された。2000年6月から2002年12月の陝西省神木と山東省禹城における蒸発散量の推定モデルを作成した。推定モデルを全衛星データに適用して月積算,年積算の日射量・純放射の分布を表すマップを作成したところ,既存の気候図と類似する分布を示した。水収支に基づく土壌水分量推定モデルを作成した。陝西省安塞を対象にした場合,初期しおれ点以下になる日が151日あること,初期しおれ点以上に土壌水分量を維持する場合,239mm必要であることがわかった。 黄河の近年の流況特性について既存資料を中心に分析した結果,黄河はもともと自然的要因による損失が大きく,流出率は約2割に過ぎないが、近年は中流域での降水量の漸減と上・中流域での利水量の増加により,流出量が大きく減少している。下流の水利用は上・中流からの流出に制約を受けており,流況改善に向けた対策が採られ始めているが,依然予断を許さない状況にあることが示された。1981年〜2000年の衛星データと地上データを使用して黄河下流域の植生状況の変化と黄河断流,黄河流量,降水量,気温の関係を解析した。解析の結果,衛星データによる計算されたNDVIと地上データの黄河流量および黄河断流との間に相関が見られた。この原因は秋コムギの栽培面積の増加によって黄河の取水量が増大したためと推定できた。
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