研究課題/領域番号 |
13575008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70142700)
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研究分担者 |
藤井 紀行 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40305412)
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (50221833)
諏訪 正明 北海道大学, 農学研究科, 教授 (40091467)
河原 孝行 森林総合研究所, 北海道支所, 研究室長 (70353654)
井上 健 信州大学, 理学部, 教授 (40176425)
河原 孝行 農水省森林総合研究所, 北海道支所, 研究室長 (90221902)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | サハリン / 植物分類地理 / DNA / 染色体 / 高山植物 / 多様性 |
研究概要 |
1.平成13年から15年までの3年間で、サハリンの南部ユジノサハリンスク近郊から北部のシュミット半島までの60数地点での野外調査をおこない、さく葉標本約2000点、DNA用試料約500点を採集した。当初構想した高山植物に関しては、アプローチの困難さから必ずしも十分な調査が行えなかったが、それでも調査山岳としてチェホバ岳、ウラジミロフカ山、ジダンコ山、チャンガ岳を踏破できた。高山植物に限らず、高山から低地までの幅広い植物群を対象として植物分類地埋学的な検討をおこないノブキをサハリンから新産として記録した(Fukuda et al.2002)。 2.日本とその近隣地域(サハリン、千島、朝鮮を含む)に自生するシオガマギク(広義)の葉緑体DNAを解析した。その結果サハリンで見られたハプロタイプA,Eは日本や朝鮮でも広く見られ、日本のシオガマギクとの遺伝的な差異は認められなかった。しかしながら千島列島ではハプロタイプDで安定しており、このハプロタイプは北海道でも見られるものの、サハリンのハプロタイプとは差異があった。この結果は日本への植物移動ルートとして考えられるサハリンルートと千島ルートとの独立性を示唆するものとして注目される(Fujii 2003)。 3.北海道、サハリン、沿海州のエゾマツに関して、葉緑体DNAのPCR-RFLP法による解析をおこなった。これまでの結果では、サハリン北部のハプロタイプは沿海州に、サハリン南部のハプロタイプは北海道に近いことが示されている。サハリン中部に引かれた植物地理分布線シュミット線の有効性を遺伝学的に追認するものとも考えられる。 4.サハリンの裸子植物の地理分布を整理し、千島列島における地理分布と比較した。分布点数に基づいたS-K indexという指標を新たに提案した(Takahashi 2004)。 5.今回の採取試料を含むサハリン・千島産維管束植物の染色体数記録を、16科、29属、33種についておこない、種内での異数体や倍数体の存在など多数の成果をえた(probatova et al.2004)。
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