研究課題/領域番号 |
13575031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
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研究分担者 |
田原 哲士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001475)
長谷川 利拡 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, グループリーダー (10228455)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 硫酸酸性耐性イネ / 根面細菌 / 窒素固定細菌 / Sphingomonas属細菌 / 低投入持続型農業 / 根面PH / 近来イネ / 伝統農法 / 強酸性耐性イネ / 内生微生物とスウォーミング / 微生物フローラの多様性 / 単生窒素固定細菌 / 根の機能性 / ローカルライスバラエティ / Siam Unus / 根面微生物と収量相関 / イネ根面pHの上昇 |
研究概要 |
本研究において、南カリマンタンの無施肥強酸性水田のローカルイネの作物としての潜在能力を明らかにし、21世紀の農業と言われる高収量低投入持続型農業の原型ともなりうる形質を明らかにした。当該ローカルイネの根面からは、南カリマンタンの酸性水田畦に自生していたM.malabathricumの根から得た細菌株、さらには中央カリマンタン泥炭湿地に群生するXyris complanata根圏から得られた細菌株と同じ16S rRNA遺伝子塩基配列をもったSphingomonas rosa近縁株を分離した。Xyris complanata根圏から得られたS.rosa近縁株のように、nif-H検出用ユニバーサルプライマーを用いたPCRによってnif-H配列が検出された菌株が見つかっていることから、強酸性耐性ローカルイネ根面から頻繁に分離されるSphingomonas属細菌の多くが、1)イネ根面微環境の緩和に寄与している、2)イネ根面で直接に窒素固定を行っているか、あるいは、少なくとも根圏複合系の窒素固定環境を整える能力がある、3)増殖時に他の微生物の成育を亢進するケースが認められるため、根圏複合系の形成に重要な役割を果たすこと、等の特徴を有していると考えられた。従って、ローカルイネはその根面あるいは根内で、Sphingomonas rosaイネ分離株単独ではなく、これを含めた根圏微生物群集の遺伝的多様性によってその系の安定な緩衝能と室素供給能を備えることができるのではないかと考えられた。ローカルイネの根はその通気組織(aerenchyma)が非常に良く発達しており、根の周辺や内部での実際の窒素固定とアンモニアの供給に関連した制御機構など、今後の解明が待たれる研究課題が数多く見いだされた。
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