研究課題/領域番号 |
13576005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 福井大学(医学部) |
研究代表者 |
高田 伸弘 福井大学, 医学部, 助教授 (90003409)
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研究分担者 |
藤田 博己 大原綜合病院, 附属大原研究所, 主任研究員
岩崎 博道 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10242588)
矢野 泰弘 福井大学, 医学部, 助手 (60220208)
増沢 俊幸 (増澤 俊幸) 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10181645)
石畝 史 福井県衛生環境研究センター, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 新興感染症 / 媒介動物 / 分布様式 / 分子疫学 / リケッチア症 / ボレリア症 / バベシア症 / ツツガムシ病 / 国際研究者交流 / 多国籍 / ライム病ボレリア / 紅斑熱リケッチア / ヤマトマダニ / シュルツェマダニ / 病原体拡散 / ボレリア / 地理病理学 / 隔離進化 / 日本:中国:タイ:ネパール:スイス |
研究概要 |
新興・再興感染症のうち、野生脊椎動物を保有体とし、ダニ類を媒介動物とする感染症(ライム病、紅斑熱、Q熱、ツツガムシ病、エーリキア症、バベシア症、森林脳炎など)が、我国を含む東アジアに分布する中で、媒介動物の生態要因が如何なる関わりを示すか明らかにすることが、この3カ年調査の目的であった。 1.初年度は、従来の調査で東アジア一帯に我国と共通の媒介種I.ovatus(Io)があるらしいことを指標に調査を進めた結果、従来知られた北アジア回りとは別に、東アジア回りのボレリアおよびリケッチアの拡散経路が見えて来た。すなわち、これら新興・再興感染症は地域ごとのベクター種や宿主動物種を介して、欧州から中央アジア、中国大陸、そしてわが国まで拡散(一部は隔離進化)していることを指摘できた。 2.2年目は、前年に明示できた東アジア共通種Ioの分布とその病原保有に関し中国や台湾を追加調査、また既知の北アジア共通種I.persulcatus(Ip)については国内各地でも追加調査した結果、北アジア回りと東アジア回りの拡散経路の境界線といったものが見えてきた。ヅツガムシについてもアジア共通性の問題を指摘できた。 3.最終年度は、ここまで判明した東アジア共通媒介種Ioや南方系I.granulatus、一方、北アジア共通種Ipの分布や病原保有について、さらに中国やベトナムで調べたほか我国内でも再調査した。結果として、新興・再興感染症は北および東アジアごとにベクター種や動物種が織り成す境界線にしたがって我国へ拡散したことが確認された。 以上、従来は「点」であった知見を、言わば「線」で結ぶことができ、今後はこれを「帯ないし空間」として生態・社会要因を加味して示したいと思う。このような手法は、新たな動物由来病原拡散へも有用な検証法を提供しよう。
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