配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
本研究では,これまでの住血吸虫症研究で用いられてきた水接触行動に関する方法論を再検討し,そこに人類学研究の現場で用いられてきた方法論を応用することで,できる限り正確に感染リスク水との接触に関する直接観察調査を行った.また同時に,質問紙を用いたインタビュー(24時間思い出し法)によって各個人から水接触行動に関する情報を収集し,得られた2つのデータを比較検討し,質問紙法の有効性の検証を行った. タンザニア・ロアモシ地区の小学生の一人一日当たりの水接触回数は,直接観察では平均6.4回(SD=3.7),思い出し法では平均4.5回(SD=1.7)であり,思い出し法による回数は直接観察に較べ有意に少なかった.水接触時間の合計は,直接観察では一日平均24.6分(SD=20.1),思い出し法では平均29.7分(SD=24.4)であり,思い出しによる水接触時間の方が有意に長かった.思い出しによる水接触では,実際(直接観察)よりも回数は少ないが,しかし一回あたりの水接触時間は長かったことになる.各水接触行動について一回あたりの水接触によるobserved exposure index(OEI:%min)を計算すると,水遊び(888),水浴び(816)が大きく,それにつづく洗濯(141)や食器洗い(96)とは大きな差があった.聞き取り調査に基づくrecalled exposure index(REI:%min)でも同じように,水遊び(2273),水浴び(1000)が大きく,それにつづく水汲み(97)や歯磨き(81)とは大きく異なった. OElとREIの間の相関は水全体・リスク水・安全水のいずれでも有意であり,相関係数は非常に高かった(水全体Spearman's ρ=0.547,p<0.01;リスク水ρ=0.885,p<0.01;安全水ρ=0.717,p<0.01).これらの結果は,男女ともすべての水の種頬で有意(p<0.01)であった.
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