配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
本研究はボリビアの先天性感染シャーガス病の疫学的調査に始まり,現在は東北ブラジル・セアラ州・インデペンデンシア地域も対象に,南米全域の先天性感染シャーガス病の疫学的調査に発展をしている.Boliviaでは,先天性感染シャーガス病と診断された乳幼児に対して,Benznidazoleの投与を行い,3年間に渡り,その経過を観察できた.本疾患新生児についてはBenznidazoleの投与後,97%以上の患者血液中からは病原体は消失し,肝脾腫も消失するなどの効果が得られた.しかし,中には投与不完全なためか3年目に再度病原体が血液中より検出された例もあった.これは経過観察中,媒介昆虫(サシガメ)との接触を否定されることから,管理投薬ではないことに問題があった,(投薬不完全)結果であると考えられる. 本疾患新生児出生の慢性感染の母親(32/32)全員がキャリアーであることは検証できたが,現地の治療指針では慢性感染者には治療の必要性を認めていないため(医療関係者おも含めた意識改革が必要である),先天性感染シャーガス病新生児の出生数は以前と比べて変化はない. 以上の結果を2003年7月24〜27にBolivia Santa Cruzで開催された,第12回全米日系人会議・保健分科会にて三浦が発表を行った,さらに現地に即応したJICA(草の根技術援助・草の根支援型)支援事業に支援申請を行った. また,東北ブラジルでは先天性シャーガス病の症例こそなかったが,いまだに血液中に病原体を検出する,慢性感染キャリアーは明らかに存在し,媒介昆虫がいまだ生息することから本疾患が再興感染症として,再び流行する要素があることを現地関係者に提唱した.両地域で分離し,得た病原体(Trypanosoma cruzi)に関して,病原性など違いが見られるため,その遺伝的相違について現在検討中であり,興味ある結果が得られつつある.
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