研究課題/領域番号 |
13610007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川添 信介 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90177692)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | スコラ哲学 / キリスト教神学 / 合理性 / トマス・アクイナス / トマス・アクィナス / ドゥンス・スコトゥス / キリスト教信仰 / キリスト教 |
研究概要 |
哲学はその成立の端緒から合理性という概念と分かちがたく結びついていると思われるが、西欧スコラ期はいうまでもなくキリスト教が支配的な地位を占めていた世界において哲学がなされていた。このような歴史的事情はその時代と地域で行われていた、神学を中心とする学問がはたして哲学の名に値するものであるのかという問題を呼び起こす。そこにギリシア的な理念としての合理性の支配があったのであろうか。あるいは、近世以降の西洋哲学において承認されているような合理性はスコラ期に見いだされるのか。 このような問題連関のもとに、本研究は西欧13世紀のスコラ神学における合理性の概念の諸相を歴史的に厳密に明らかにしようとすることを試みた。その探究の結果、キリスト教の啓示に対する信仰という表面的には合理性と背馳するように思われる信条を基底としているスコラ神学においても、学問としての何らかの意味での合理性が探究の対象とされていることが明らかとなった。またそればかりでなく、13世紀西洋という極めて限定された時代と地域においてさえも、広義での合理性の内部に相当の多様性を含みこんでいることも明示されることになった。 本研究によって、スコラ期における西洋の合理性概念の歴史的把握はほぼ完了したといえるであろうが、その歴史上の概念が現代の哲学上の諸問題の関連や社会的・文化的状況において持つ意義について理論的に討究する作業は、まだ十分とはいえない。この作業は今後の課題として残されているのである。
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