研究課題/領域番号 |
13610014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
金子 洋之 専修大学, 文学部, 教授 (60191988)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒルベルト / ヒルベルト・プログラム / 不完全性定理 / 形式主義 / ブラウワー / 直観主義 / 数学の哲学 / 直感主義 / 証明論 / 心的構成 / 構成主義 |
研究概要 |
本研究では、ヒルベルト・プログラムとゲーデルの不完全性定理の関係の解明、およびブラウワーの直観主義からの批判がどのようにヒルベルト・プログラムの形成に影響を及ぼしたか、その影響関係の解明、の二点に主眼がおかれた。その結果として、第一に、ゲーデルの第二不完全性定理によってヒルベルト・プログラムはその遂行の可能性を失ったという「公式見解」は、必ずしも完全に論証されたわけではないこと、しかしながら、そのことによって直ちにヒルベルトの構想が再復活したということになるわけではなく、むしろ重要なのは、ゲーデルの第二不完全性定理には、第一不完全性とは異なる形で意味論の問題、特に内包性の問題が関与しているという事実が明らかになった。これは、言語による表現とその表現によって意味させたいこととの乖離というより根元的な問題を含んでおり、いくつかの異なる領域における類似の問題との連関を指摘することができた。第二に、ヒルベルトの有限主義が形成されるにあたっては、ブラウワーの直観主義よりは、むしろクロネッカーの有限主義に大きく影響されているというのが、定説であったが、ヒルベルトの有限主義が洗練されてゆくプロセスにおいて、具体的な手法に直接作用したのはブラウワーによる形式主義批判、あるいはその形式主義批判を包摂する、数学における言語性に対する詳細な批判であったということを示すことができた。また、この研究の過程において、平成14年の一月には、Michael Detlefsen教授を日本に招き、2日間のべ8時間にわたって、この研究テーマに関連する話題で講義を行ってもらい、またヒルベルト・ワークショップでは、Hilbert's Justification of the Completeness Requirementというタイトルで講演を行ってもらった。このような形で、最新のヒルベルト研究の一端を紹介できたことも成果の一部と考えられる。
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