研究課題
基盤研究(C)
松蔭寺秘蔵の『法華経細註』の資料状況を調査の後、専門家の協力を得て、法華経28品に対する細註が施された和とじ刊本全巻のデジタルカメラによる撮影を完了。その後、原本の複写が許されることとなり、刊本全巻の複写を終了。撮影した画像データと複写本とに基づき、註釈部分の文字データ化を開始。壽量品、序品、方便品、観音菩薩普門品という法華経の中でも古来要品といわれている諸品(白隠の註釈中にもこの認識が明確に示されている箇所がある)を中心にデータ化を行った。判読難しい箇所について、松蔭寺に出張し、現物とつきあわせながら読解作業を行なった。また読み進めて行くうちに、天台三大部をはじめとする天台の註釈類が多用されること多いことが判明したので、データ化をする際にそれら引用文献を参照し典拠を明らかにしながら進めるとともに、特に天台の小乗観を知る上で重要な教判論の研究を天台三大部を対象として行った。また本研究は、白隠禅師直筆の法華経細注の研究を行い、最終的には白隠禅師の仏道を明らかにしようとするものであるが、研究途上、白隠禅師には、法華経や天台の著作を題材にした数多くの書画が残されていることが判明した。そこで、書画の研究を併せて行うこととし、松蔭寺と世界一のコレクションを誇る永青文庫の協力を得て、書画の調査および研究を行い、その成果の一部が京都文化博物館における特別展覧会の形で公開されることとなった。また注釈の綿密な研究にあたっては、白隠禅師の生涯の事跡を明らかにする必要があるため、白隠禅師のゆかりの諸寺を訪ね、その住職から話を聞くとともに書画の調査を行った。また臨済宗の各派総本山の管長より教えを伺うため、永源寺ならびに向嶽寺を訪ねた。
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週刊朝日百科 仏教を歩く 隠元・白隠
ページ: 22-23
ADK
ページ: 190-190
Asahi's weekly journal, Walk with Buddhism, Ingen and Hakuin