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都市的生活様式の普及と日本人死生観の変遷についての社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610026
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 宗教学
研究機関東京大学

研究代表者

村上 興匡  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40292742)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード葬儀 / 死 / 近代化 / 都市化 / 個人化
研究概要

明治30年代以降、告別式や神前結婚式に代表される宗教式結婚式など、近代的な人生儀礼の様式が次々考案された。これらは日本を文明するという機運、簡素化・合理化の主張としての風俗改良運動、社会教育における宗教の役割といった時代の問題と関係していた。その一方で日本の伝統的宗教習俗の多くは、文明に反する迷信として排除の対象となったが、「家」に関連する部分(たとえば「祖先教」など)は天皇制との関係で残された。近代的な人生儀礼は、都市的な生活様式に適合するものであるとともに、「家」的なイデオロギーと密接に結びついていたといえる。
当初一部インテリ階級のみによって実行されてきた告別式や神前結婚式は、昭和になってから都市市民、特に戦後の高度経済成長期以後には、地方全国に広がった。1970年には、それまで大会社しかおこなっていなかった「社葬」を、創業者の葬儀のために中小企業においてもおこなうようになり、「村」-「家」に擬制したような企業間の贈答関係が成立し、葬儀は華美なものとなった。
その一方で少子高齢化、核家族化によって「家」制度は徐々に壊れ、1990年代には継承者いらない墓地、散骨(自然葬)等々の運動が起こった。これらの運動の主題は「どう葬るか」ではなく「どう葬られるか」にあり、従来の葬儀慣習が強制力をなくし、葬儀のあり方が多様化していることを示している。それによって人々の葬儀や死に対する考え方は個人化し、葬儀の社会儀礼としての意味づけが弱められてきている。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 村上興匡: "中江兆民の死と葬儀-最初の「告別式」と生の最終表現としての葬儀-"東京大学宗教学年報. 19. 1-14 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 村上興匡: "葬祭の個人化と意識の変容-各種アンケート調査をもとにして"死生学研究. vol.1 2003春号. 361-341 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kyoko Murakami: "The Death and Funeral of Nakae Chomin"Annual Review of Religious Studies. XIX. 1-14 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kyoko Murakami: "Individualization of Funeral Customs in Japan : An Analysis of Survey Questionnaire Results"Journal of Death and Life Studies. Vol.1(Spring/2003). 361(31)-341(51) (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 村上 興匡: "明治期仏教に見る「宗教」概念の形成と「慣習」-島地黙雷を中心に-"島薗進・鶴岡賀雄編『<宗教>再考』ぺりかん社. 207-227 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 村上 興匡: "全国調査「葬送と墓の意識」でわかったことは何か(2)"月刊 寺門興隆. 12月号. 73-81 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 村上 興匡: "近代的人生儀礼の起源とその意味(上)"SOGI. 79号. 69-72 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 村上 興匡: "近代的人生儀礼の起源とその意味(中)"SOGI. 80号(印刷中). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 村上 興匡: "葬祭の個人化と意識の変容 -各種アンケート調査をもとにして"『死生学研究』(東京大学). 1号(掲載予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 村上 興匡: "近代化と葬儀の移り変わり--葬の個人化を中心に"『宗教研究』(日本宗教学会). 76・4(335)(掲載予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 村上興匡: "中江兆民の死と葬儀-最初の「告別式」と生の最終表現としての葬儀"東京大学宗教学年報. 19号(掲載予定). (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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