研究課題/領域番号 |
13610064
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
|
研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
高桑 いづみ 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 芸能部, 室長 (60249919)
|
研究分担者 |
高橋 美都 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 助教授 (70326172)
薦田 治子 武蔵野音楽大学, 助教授 (00323858)
勝木 言一郎 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・美術部, 主任研究官 (50249918)
加藤 寛 修復技術部, 伝統技術研究室, 室長 (70161114)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 楽器 / 琵琶 / 盲僧 / 和琴 |
研究概要 |
琵琶については宮崎県高千穂町の個人、日南市旧常楽院、熊本市博物館、福岡市成就院が蔵する楽器の補足調査をおこない、盲僧琵琶に関して一応の関連性を体系的に指摘できるところまで、研究を進めた。成果は、東洋音楽学会第10回東日本支部例会(平成16年2月)で「薩摩琵琶の歴史に関する2、3の疑問」と題して薦田治子が口頭発表をおこなった。 また、三の丸尚蔵館蔵の楽器について調査をおこなった。江戸末期から明治期以降に公家や大名家から献上された楽器を含み、『楽家録』などに記載された名器も多い。今回の調査によって、伝来通りの時期まで遡る楽器であるか否か、ある程度の確認がとれた。たとえば、笙には管に作者名や制作時期を針書する慣習がある。管の劣化状況と照らし合わせると、大方は針書きを信用しうるものであったが、なかにはそこまで遡れない楽器もあった。管と頭の制作時期がずれるものもあるので、製作年代の断定することはむずかしい。逆に、竜笛には制作状況を楽器に記す習慣がない。しかし劣化の度合いや部分の制作の具合から、伝来通りの制作時期と判断しうるものが多かった。箏については、楽器内に作者銘や焼き印を残すものがある。ただし表面の劣化の度合いが著しい場合、銘は制作者ではなく、修理者の可能性が高い。表面の状態から室町時代の作と考えられる楽器でも、加飾は江戸時代に行われた後補である場合が少なくなかった。こうした状況は、琵琶でも同じである。ただし、楽器の新旧にかかわらず、それらを納める袋には古い時代の裂などが用いられており、楽器がいかに大切に献上されたかを偲ばせるものがあった。 このほか、平成15年8月にワルシャワ大学で開催されたヨーロッパ日本研究協会第10回大会に高桑が参加して楽器について報告を行い、ウイーンの博物館での楽器展示について調査も行った。また、平成16年3月には以上の成果をまとめた報告書を刊行した。
|