研究課題
基盤研究(C)
本基盤研究では、社会的認知の知覚的基盤を明らかにするため、チンパンジー成体・乳幼児、マカクザル乳児などを対象として比較認知科学の観点から研究を進めてきた。(1)ヒト、チンパンジー、マカクザル、タマリンの乳児個体を対象として自分の方に向けられた視線は「目立つ」か?という問題について、選好注視法を用いて調べた。その結果、チンパンジー乳児では、目線がそれている顔よりも目線があっている顔をより好むことが示された。(2)チンパンジー成体を対象として、自らに向けられた視線(direct gaze)の顔写真と他の方向を向いた(averted gaze)写真を用いた視覚探索課題を行ない、direct gazeの方がaverted gazeよりも検出しやすい可能性を示唆する結果が得られた。(3)共同注意の基礎となる外在的手がかりによる注意の移行について、ヒト成人、チンパンジー成体、乳児を対象に実験的検討を行った。単純弁別/検出課題において、刺激提示に先立ってどこに標的刺激が呈示されるかについての正しい(あるいは誤った)先行手がかり(precue、視線刺激)を呈示し、後続の課題遂行に対する効果を検討した。その結果、成体および乳児のチンパンジーでは、先行情報の予測率の高さが低いときには、促進/抑制効果が認められず、予測性を高めることによってはじめて促進/抑制効果が認められた。
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