研究課題
基盤研究(C)
本研究は、高齢者の加齢に伴う記憶衰退の特徴を、ソース・モニタリングを指標として認知心理学的に実験・調査し、加齢に伴う記憶衰退のメカニズムを究明することを目的として、4年間のプロジェクトとして進められた。プロジェクトの成果は大別すると4つある。(1)高齢者のソース・モニタリング能力(場所記憶と情報統合記憶)に対する訓練効果からみた、能力衰退の原因の検証、(2)高齢者のソース・モニタリング能力衰退の原因として考えられる2つの仮説「側頭葉内側部機能低下説」と「注意のコントロール説」の検証、(3)fMRIを用いた脳機能画像によるソース・モニタリングに関連する脳部位の特定、(4)ソース・モニタリング課題を用いた早期痴呆発見テストのためのデータ収集、である。今回の研究では、ソース・モニタリング能力低下の原因として考えられる、「情報統合能力の低下説」と「注意のコントロール説」の関与が示唆された。特に、「高齢者は何か特別なプロセスに問題があるというよりも、全体的な処理スピード低下による課題の未遂行が、情報統合能力の低下、ひいては、ソース・モニタリング能力の低下に結びついているのではないか」という仮説が導き出された。しかし、単独条件に比べ情報統合に注意が特に必要であり、この傾向は高齢者で大きいという直接の証拠は得られなかった。今後は、本研究で導き出された仮説を検証するための実験が必要である。また、情報統合と注意との関係についてfMRIを用いた実験からも調査する必要がある。さらに、現在進行中であるAD患者を対象としたソース・モニタリング課題を用いた簡易痴呆テストを完成させたい。
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日本心理学会第69回大会 発表論文集 (発表予定)
Abstracts of 69^<th> conference of Japanese Psychological Association.
日本心理学会第69回大会発表論文集 (発表予定)
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9^<th> International Conference on Functional Mapping of the Human Brain, New York, New York. (CD-ROM)
日本認知心理学会第1回大会発表論文集
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Proceedings and Abstracts of 3rd Tsukuba International Conference on Memory
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