研究課題/領域番号 |
13610120
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 美奈子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20278310)
|
研究分担者 |
佐々木 順子 吉備国際大学, 社会福祉学部, 助教授 (00330621)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 教師の疲れ / バーンアウト / 学校の荒れ / サポート体制 / 予防要因 / 教師のバーンアウト / 学校現場の荒れ / スクールカウンセラー実践 |
研究概要 |
近年、子どもたちの問題が深刻化するのと並行して、教師の精神衛生の悪化が指摘されるようになった。実際に、精神的な病気で学校を休職する教師の数も増えている。教師のメンタルヘルスについては、実証研究も臨床実践からも多数の報告があるが、学校現場の「荒れ」と教師の「(心身両面の)疲れ」との関連を扱った研究は多くない。そこで本研究では、小・中学校197名の教師を対象に、教師の「疲れ」と子どもの「荒れ」との関連から、教師の心身の疲れを規定する要因とそのメカニズムについて検討すると同時に、これら教師の「疲れ」の予防ならびに具体的な解決策について、医学的・教育的・社会的見地から総合的に研究することを目的とした。 調査内容は、バーンアウト(MBI)、子どもの問題への関与度、職場内・外のサポートの有無、生活時間についての増減希望という内容からなる。その結果、(1)教師のバーンアウトは、不登校やいじめなどのように非日常的で深刻な問題だけでなく、生活習慣や学業という日常的な出来事によっても引き起こされる可能性が示唆された。(2)やりがい感の低下は、職場内・外にメンタリング関係や相互支援関係を有する教師のほうが見られにくいが、消耗感は、職場外に「ともに高めあえる」関係も持つ教師のほうが小さいといえる。(3)やりがい感の低下した教師には「仕事(児童・生徒と過ごす時間)からの退却」、消耗感が強い教師には「職場から私生活への逃避(睡眠時間や一人の時間・趣味の時間)」を求める傾向が見出された。教師の疲れの背景には、学校現場の荒れがあることが示唆されたが、それを解決する要因として学内外のサポート関係や「自分だけの自由な時間」を確保することの必要性がうかがえた。 以上の結果を踏まえ、論文として学会発表するとともに、各種の雑誌に発表を行った。
|