研究課題/領域番号 |
13610125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
渡辺 弥生 法政大学, 文学部, 助教授 (00210956)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 幼児期 / 児童期 / 青年期 / 役割取得能力 / 社会性 / 道徳性 / 道徳教育 / 教育実践 / VLF / 社会的スキル / ソーシャルスキルトレーニング / ロールプレイ / 絵本 / 発達段階 / 思いやり / SST / 人権学習 / 幼児・児童・生徒 / 発達 |
研究概要 |
セルマン(Selman,R.L.)の「愛と自由の声(VLF : Voices of Love and Freedom)」プログラムを参考に新しい心理学的アプローチを日本の学校現場に導入した。自分の考えを相手に伝える力、他者の気持ちや考えを推測する力、対人葛藤を解決する力を育てることを意図して、幼児期から青年期までを対象とした。その研究成果として以下のことが得られた。 (1)3歳児に対してもVLFの導入が可能であることが明らかになった。3歳児のペアでロールプレイは難しいが、共感性や役割取得能力の向上が認められた。また、異年齢の相互作用による効果が観察された。 (2)韓国では、社会的スキルの教師評定から、VLF実践クラスの方が、向社会的行動の向上、反社会的行動の減少、さらに自己主張行動の向上に効果があることが示唆された。 (3)小学生を対象に、社会的スキルの自己評価については、VLFによる効果が明らかであった。また、主人公への手紙や授業後の感想からも、他者の気持ちをくむ表現が多く、教材を用いたパートナーインタヴュー、対人葛藤場面でのロールプレイングなどの、総合的なアプローチの効果が認められた。 (4)中学生においても絵本教材を用いて実践が可能なことについて手ごたえを感じることができた。日常生活における無用の競争やトラブルを、風刺的にとらえるような力も発達してきていると考えられる。 このように、幼児期から青年期迄のどの発達段階においても、VLFの効果が認められた。アセスメントや方法に改善すべき問題はまだあるが、こうした社会的スキルの発達理論に基づいた人格形成プログラムを体系的に学校へ導入することは、子どもの社会的発達におおいに貢献できると考えられる。
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