配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
1、本研究は,聴覚障害児の手話使用と日本語のリテラシー(読み書き能力)獲得との関わりを検討し,あわせて手話を利用した学習教材の開発や指導法の検討を行うことを目的とした。 2,平成15年度は,前年度に引き続き、手話を早期より導入している聾学校数校の小学部1,2年クラスを対象とし,国語科を中心に授業場面を参与観察,学習活動における対話(教師と生徒や生徒同士)を詳細に記録した。 3,得られた資料から生徒同士や教師と生徒との対話エピソードを抽出し,授業進行の時系列に沿って,どのような内容の対話が生じているか,手話,身振り,口話などがどのように使用されているか,またそれらがどのように文字や日本語文と結び付けられているかを分析した。導入部では手話により教材内容の概略の把握が促進され、展開部では、手話による対話で読解を深め、同時に手話から日本語への比較による日本語による理解の促進が図られていた。 4,さらに,国語科での手話を利用した指導を進めるために,小学校1,2年用教科書の手話ビデオ教材の制作を前年度に引き続き継続した。教科書の日本語文を日本手話に翻訳し,その手話文の語彙や文法の分析および指導計画案をあわせて、聾学校に提供し、その効果や改善点についてアンケート調査を行った。 5,ビデオ教材の利用によって,生徒の物語内容の把握や登場人物の心情理解が深まったこと,生徒同士の話し合いが活発に行われたことが示された。また生徒が自主的に手話から日本語文へあるいはその逆へと対照比較を行っていた。最後に日本語リテラシーの獲得における手話の役割について検討を行った。
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