研究課題/領域番号 |
13610166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
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研究分担者 |
TOBIN Joseph アリゾナ州立大学, 教育学部, 教授
MESQUITA Batja ウエイクフォレスト大学, 心理学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 感情 / 文化的自己観 / 日常的経験 / 感情発達 / 感情認識 / 関係志向性 / 独立志向性 / 関係志向性・独立志向性 / 日米比較 |
研究概要 |
文化心理学的視点からの感情についての文化比較研究は、多くの知見をもたらしてきたが、大方において、研究者により与えられた刺激場面への判断に基づいており、実際に起きる日常生活の様々な場に参加することの帰結は、十分には明らかにされていない。またそれらの発達的獲得過程についても、まだ研究が十分であるとはいえない。文化的自己観が日本における日常生活を反映し、またそれに影響しているものであれば、そのプロセスは、日常生活における感情経験においても生じているであろう。本研究では、第一に日常的場面をできる限りランダムにサンプルし、その実際の日常的場における感情経験の性質をした。そのために、インタビューによる方法や、オンラインに近似した方法を検討し、実際の日常的場での感情の経験の様態を詳細に分析することを試みた。第二に、大学生を対象とするだけではなく、幼稚園での観察、またそれぞれの場面に対する保育者の解釈をインタビュー調査により、分析した。これらにより、文化心理学が提唱する文化(日常的場)と感情の相互構成過程をより綿密に検討することが可能となった。特に、日常場面を通して形成される感情喚起の様態を認知評価理論に依拠しつつ、場の評価次元の性質の文化的相違の結果、感情経験の質も文化に大きく依存するという可能性が文化比較的視点および発達的視点から明らかにされた。文化と感情についての理論的見解をまとめたのち、日常的場面の感情認識における関係志向・独立志向が、インタビュー調査からされた。さらに、発達的視点として、日本の幼稚園での日常的場面の観察と保育者へのインタビューから、日本における感情経験の特質が社会文化的価値と共振したものであることがわかった。これらの問題を実証的に探索することにより、感情という基礎的心理プロセスの文化心理学は今後、ますます新たな知見を提供していくであろうと考えられる。
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