インターンシップ経験が大学生の職業意識に及ぼす短期的長期的影響について、大学コンソーシアム京都のインターンシップ・コース受講生を対象にした質問紙調査によって明らかにした。 第1に、インターンシップ経験の短期的影響を測定するための尺度作成を試みた。実習後の自分自身の変化に関する受講生の期待について自由記述したものをまとめ、職業意識を測定するための質問92項目を作成した。インターンシップ実習の事前事後に質問紙調査を実施し、その分析結果から、大学生の職業意識が『就職レディネス』、『有能感』、『自己主体性』という3領域、16因子で構成されることを見出した。これら16因子のうち9つの因子で向上や改善が認められた。変化の認められなかったのは6因子にとどまった。したがって、インターンシップ経験が職業意識の醸成に概して効果的であることが実証された。 第2に、インターンシップ経験の長期的影響を調査するための追跡調査を試みた。大学コンソーシアム京都のインターンシップ・コースを受講後、社会人となった修了生を対象に郵送法による質問紙調査を実施した。その結果、離職率は全国20〜24歳の半分程度であること、3割強の修了生が就職活動に役立ったと考えていることなどがわかった。また、年々、実習先と就職先との関連づけが強まっていることなどがわかった。さらに、様々な部署や業務を経験した修了生において仕事への意欲が高いことなど、実習内容との関連性も見出された。
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