研究課題/領域番号 |
13610190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高城 和義 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00085953)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 医師-患者関係 / 医療思想革命 / インフォームド・コンセント / 自己決定権 / 生命倫理学 / アメリカ医療 / アメリカ |
研究概要 |
1970年代のアメリカにおいて、古代ギリシャ以来続いてきた医療思想に、革命的変化が起こった。医師の専権体制とパターナリズムとが疑問視され、ともすれば医師の操作の客体とみなされてきた患者の、「自己決定権」が主張されるにいたったからである。こうして、インフォームド・コンセントを基礎とする医師と患者との「共同意思決定」が、徐々に制度化されていった。本研究は、この「医療思想革命」の結果、どのような医師-患者関係が構築されてきたか、それが21世紀に入って、どのような発展をとげようとしているのか、その実態を調査しようとするものであった。 そのため本年度は、収集した文献資料を分析するとともに、ニューヨークの「子ども病院」とコロンビア大学医学部ならびに付属病院をフィールドとして、実態調査をおこなった。その結果、(1)アメリカの病院には、バイオエシストや医療杜会学者、医療ソーシャル・ワーカー、心埋学者などの、医師以外の専門家がそれぞれ役割を果たしていること、(2)カルテが原則として開示されていること、(3)入院病棟の管理は、看護師にゆだねられていること、(4)インフォームド・コンセントが制度化されていること、(5)子どもや精神障害者にも、インフォームド・コンセントが不可欠とされていること、(6)そのために、ヴィデオや写真・絵のパネルを用いてていねいにわかりやすく説明していること、(7)そのためのマニュアルが作られていることなど、総じて「医療思想革命」の洗礼をうけ、それまでの医師-患者関係とは大きく変化し、医師の専権体制が終わりをつげていることを確認することができた。
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