研究課題/領域番号 |
13610192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
千葉 悦子 福島大学, 行政政策学類, 教授 (30217244)
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研究分担者 |
坂西 友秀 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30165063)
井腰 圭介 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (50222914)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 結婚 / アイルランド / 未婚 / 韓国 / ジェンダー / 農村地域社会 / 差別と偏見 / お見合いパーティ / 青年 / 地域社会 / 女性 / ネットワーク / 農村家族 / リスドンバーナー / マッチメーカー / 見合い |
研究概要 |
本研究は農村の結婚難の要因と打開策について国際比較研究をとおして明らかにしようとした。(1)農村家族の女性たちの地位や役割、(2)青年層の都市流出を抑制する文化やネットワーク(3)農村の結婚事情、結婚対策等を中心に、アイルランド西部の農村部における結婚を焦点化して調査研究を行った。以下の点が明かになった。 アイルランド、特に西部アイルランドにおける女性の地位は低い。しかし、農業が労働を女性に大きく依存していた時代には、女性は日々の仕事で大きな役割を果たし、家族経営で大きな勢力を持っていた。農業の近代化と機械化は、男性が農機を使い、女性は家事労働に従事する傾向を強め、女性の地位を押し下げた。さらに、宗教的背景は男性と女性の間の支配-服従関係に影響を及ぼした。こうしたことが青年層の都市流出に拍車をかけることになるが、その一方で伝統的な教会組織に基づく人的ネットワークや伝統的な祭を活用して、地域の異世代交流の機会拡大をはかり、地域社会全体の活力を高めて、青年層の流出に一定の歯止めをかける戦略がみられた。また、アイルランド社会に見られる結婚難は、農村部で独身でいることの意味を消極的なものとしてだけではなく、1つの積極的な生活のスタイルとして評価する傾向も見られた。この点で、日本とは異なる力学によってアイルランドの結婚難は進行していると考えられる。 なお、かって農村地域に存在した男女の結婚世話役(マッチメーカー)の活躍をヒントにしたリスドンバーナのフェスティバルは今日ではアイルランド最大とも言われる5万人を集めるフェステバルに発展している。毎年開催されるこのイベントによって、村の個人商業、農業経済を保管する「B&B」など地域の年間収入の大部分を占めるようになった。結婚事業を地域活性化に結びつけた事例として示唆的である。
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