研究課題/領域番号 |
13610196
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
江川 緑 東京工業大学, 留学生センター, 助教授 (40251615)
|
研究分担者 |
山崎 喜比古 (山崎 善比古) 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10174666)
矢野 眞和 (矢野 真和) 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (30016521)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 海外派遣勤務者 / ソーシャルストレス / キャリア / 国際人的資源管理 / 日本:ベルギー / 海外派遣勤務 / ストレス / 異文化適応・理解 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究に先立ち実施された日本人海外派遣勤務者のソーシャルストレスとその関連要因に関する研究から、駐在中のストレスは、本国で海外派遣勤務受け入れ時に、「帰国後の処遇・昇進」で悩んだ人で有意に高いという仮説が検証された。本研究では、この仮説について、欧米からの派遣勤務者を対象に検討したところ、米国人・ベルギー人でそうした傾向がうかがわれたが有意な関連は認められず、日本人派遣勤務者に特有のものと考えられた。 一方、在日ベルギー人と在ベルギー日本人のソーシャルストレスを比較すると、ほぼ同様のストレス度で有意な差は認められなかったが、その内容には違いが認められた。また、ベルギー人では、駐在3年以上の群でストレスが減少していた。 欧米の派遣勤務者では日本人に比べ長期勤務者が多く、かつ日本もしくは他国での派遣勤務経験を有するものが多かった。派遣期間については、日本ではおおむね規定・目安があるものの、欧州では目安がないとの回答が3割を超す調査もあり、こうした結果を支持するものであった。欧州企業に多かったインターナショナルスタッフが近年減少との報告もあるが、本研究では依然地域や国を特化した専門スタッフの存在がうかがわれた。 海外勤務者のキャリアは、日本とベルギーでは大きく異なり、日本企業で大多数をしめる本社からの派遣勤務者に該当するベルギー人は非常に限られていた。日本人派遣勤務者は、J.S.ブラックのいう本社志向型に近く、ベルギー人ではフリー・エージェント型に近いと考えられた。国際比較を通じて、日本人の強い本社志向が明らかとなり、またこのことが出国前から帰国後の処遇・昇進への不安を抱かせ、現地滞在中のソーシャルストレスを高めていた。海外派遣者のモチベーションおよび企業のパフォーマンスを高めるためにも、日本企業ではとりわけ帰任問題を中心とした国際人事戦略の再構築が必要であると考えられた。
|