研究課題/領域番号 |
13610200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西原 和久 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90143205)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 社会思想 / 社会意識 / 1970年代日本 / 1980年代日本 / 言語論的転回 / マルクス主義 / 国家 / 知識社会学 / 近代 / 言語 / データベース / 国際情報交換 / イギリス:台湾:アメリカ:ドイツ:フランス |
研究概要 |
本研究は、大きく分けて、(1)文献資料調査研究と(2)インタビューなどを柱とする調査研究の2つからなる計画であった。(1)の文献資料調査研究では、当該時期の日本の知のリーダーに関する文献の収集はほぼ目的を達した。また、それらを含めた各種雑誌等の題目のデータベース化も行った。さらに、この時期の若い世代の研究関心をフォローするための学位論文に関するデータも概ね収集した。(2)インタビューを柱とする調査研究は、哲学者・社会学者を中心に行ったが、予想外に時間がかかり、対象者数は必ずしも多くない。しかし、質的な面では満足のいく結果を得られた。また民間人調査も同時になされ、数多くの知見を得た。さらに外国の研究者へのインタビューも興味深いものであった。 得られた知見は以下のようにまとめることができる。(1)本研究は70-80年代が対象であったが、70年代と80年代の間には、連続面と同時に少なからぬ断絶面がある。(2)断絶面に関しては、70年代は60年代と、80年代は90年代と思想史的に親和的であって、この間に断絶面が見られる。(3)その理由は、言語をめぐるポストモダン的な議論の登場にあるように思われる。それを暫定的にプレ言語論的転回期、ポスト言語論的転回期と名づけておくが、そこに一定の溝があるように思われる。(4)言語への着目は、身体論の忘却と構築主義の台頭という2つのメダルの表裏の関係をもつ。この2つの面をいかに総合的に把握していくのかが今後の課題ではないかという点が本研究の結論である。 なお、民間人調査を通して強く感じたことは、こうした70-80年代の知の動向が必ずしも一般社会人には浸透しておらず、社会意識は政治経済動向、社会体制問題、メディアの問題などとかなり連動している面があるという点である。ここには、日本の知識人がその知見をいかにして社会に還元するのかという重要な問題提起も含まれていると思われる。
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