研究課題/領域番号 |
13610201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 純 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (40240816)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 情報ネットワーク社会 / 社会規範 / CMC空間 / 公共圏 / 親密圏 / 情報公共圏論 / インターネット / 情報民主主義 |
研究概要 |
本研究の課題は、(1)現代の情報ネットワーク社会における社会規範の形成の状況について正確な現状認識をおこない、(2)その認識を踏まえた上で、新たな社会規範の形成の方向性についての政策理念を構築することである。 課題(1)については、インターネットなどのCMC(Computer Mediated Communication)ネットワーク上に出現した仮想的社会空間(CMC空間)について、情報社会論の領域における多様な既存研究成果を整理・分析した。その結果、情報化の進展によるCMC空間の拡大は、一方では分散的・排他的な共同性の強化、他方では新たな親密圏と公共圏の構築に貢献するという二面性をもつことが指摘された。 この認識を踏まえ、課題(2)については、情報ネットワーク社会における重要な社会的諸問題の解決に貢献しうるような公共圏(討議による意志形成の空間)の構築の可能性・方向性について研究した。情報ネットワーク社会の諸問題は、「政府/非政府」、「営利/非営利」、「公開性/親密性」という3つの対抗軸に沿って生起している。それらは、市民社会と政治システム、市民社会と経済システム、および市民社会と私的生活圏という3つの対抗関係のなかで、公共圏の解体にも構築にも結びつくアンビヴァレントな方向性をもっている。すなわち、一方では情報化とともに私的生活圏の分散化(排他的・分散的共同性の強化)が進行し、また政治システム・経済システムによる市民社会への管理・規制が強化されることによって、公共圏は縮小し解体していく。しかし他方で情報化は、私的生活圏からの問題提起を集約する新たな親密圏の構築を可能にし、政治システム・経済システムに対して代替策を提示する流れを活性化させ、公共圏の構築に貢献する。この後者の流れをさらに活性化させうるような制度的・社会的条件を整備していくことが、政策理念として提起される。
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