研究分担者 |
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 教授 (50164661)
佐藤 克繁 流通経済大学, 社会学部, 教授 (60170734)
大西 哲 流通経済大学, 社会学部, 教授 (10203861)
八田 正信 流通経済大学, 社会学部, 教授 (10218498)
天野 栄一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (10231987)
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研究概要 |
<障害者旅行研究の視点> 社会に存在しつづけている障害者に対する排除,差別に関して,地域社会,学校教育の場,産業など幅広い部面でその解消のために多様な取り組みがなされている。観光の側面においても例外ではない。そればかりでなく,観光に関わる地域・観光業界・の取り組みこそ,社会の質を変え,障害者や高齢者を排除する社会の傾向を改善するのに大きな役割を果たしつつある。特に自治体や市民の集団や個人が取り組む新たな,都市計画やまちづくりの取り組みは,様々な人びとを差別しない,地域形成の可能性が現れている。障害者の旅行を通して考察することの意味は大きい。 <調査概要> われわれが手がけた調査は観光業,観光地を視点として,地域づくり,障害者教育,要介護高齢者の旅行など実証的,実践的な調査研究を行った。その主なものは次のとおり。(1)地域調査:障害者・高齢者に対して特色ある取り込みを行っている岐阜県高山市,三重県伊勢志摩地区,また温泉リゾート地域として福島県,青森県十和田湖町などを対象とする調査。(2)シルバースター登録旅館に対する調査票調査。(3)旅行の教育的意味についての,養護学校の遠足・修学旅行に関する調査。(4)要介護者の宿泊を伴う旅行に関する実践的調査。(5)授産施設を中心とした地域に根ざした遠足やスポーツ活動など戸外活動に関する調査。 <知見> 障害を持った人びとを受け入れようとする地域や観光産業の態度は,その地域に居住する障害者や高齢者にとっても住みよい居住空間の構想と結びつき,居住者も旅行者も疎外されない地域形成が進んでいるのである。観光が地域形成や教育と交差するところに新たな社会を構想する知恵が発見されつつある。
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